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トレンディドラマ世代が、ネトフリのドラマから元気をもらえないワケ

今のドラマは憧れを体現していない

トレンディドラマ「最近、後輩たちとの会話でちょっとした違和感を感じたのは『ドラマの楽しみ方』。Netflixなどで観られる、アメリカや韓国発のドラマの“映画のようなクオリティ”が当たり前になっているからでしょうか?  テレビドラマでも同様に、役者の演技力や秀逸な脚本だったりとかだけで観る/観ないの判断をしている感じがするんですよね。僕らにとってのテレビドラマって、もっとなんていうか…キラキラしてたものですけどね。憧れの東京のイケてる生活というか!なんかちょっと、寂しいなあなんて…」(販売・45歳)

映画級のネトフリドラマ

 今やネット動画コンテンツを代表する有料視聴サービスとなったNetflixの全世界での有料会員数は、2021年7月現在で2億920万人になりました。「4-6月期(第2四半期)に新規会員が150万人増えた」(出典:「ネットフリックス、4-6月期会員数は150万人増 自社予想上回る」THE WALL STREET JOURNAL)そうで、そのうち「7割近くをアジア太平洋地域が占めた」というから、多少伸び率は鈍化しているとはいえ、まさに日本でも“天下を取った”状態と言っても過言ではないでしょう。  国内外のオリジナルコンテンツの凄まじいクオリティ…もっと明確に言うと「映画級のお金の掛け方」は、視聴者にもしっかり伝わっているのはこのとてつもない会員数に現れているのでしょう。  多くのコンテンツは、観始めたら一晩で全話を視聴しきることができる、いわゆる「一気観(み)」ができるように最終話まで配信されているのがセオリー。毎週のオンエアを心待ちにする、これまでのテレビドラマの慣習は、こうして覆されつつある感があります。  個人差はあるものの、ドラマ視聴におけるスタンダードが変わってきたのだとしたら、冒頭のような「違和感」はそんなところから生まれる新しいジェネレーションギャップなのかもしれません。今回はそんなロスジェネ諸氏が時折感じているであろうギャップに迫ってみたいと思います。
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思えばあの頃のドラマは
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数々の雑誌を渡り歩き、幅広く文筆業に携わるライター・紺谷宏之(discot)と、企業の広告を中心にクリエイティブディレクターとして活動する森川俊(SERIFF)による不惑のライティングユニット。 森川俊 クリエイティブディレクター/プロデューサー、クリエイティブオフィス・SERIFFの共同CEO/ファウンダー。ブランディング、戦略、広告からPRまで、コミュニケーションにまつわるあれこれを生業とする。日々の活動は、seriff.co.jpや、@SERIFF_officialにて。 紺谷宏之 編集者/ライター/多摩ボーイ、クリエイティブファーム・株式会社discot 代表。商業誌を中心に編集・ライターとして活動する傍ら、近年は広告制作にも企画から携わる。今春、&Childrenに特化したクリエイティブラボ・C-labを創設。日々の活動はFacebookにて。

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