更新日:2021年12月14日 18:47
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ウマ娘のせいで競走馬価格が上昇中!? 馬主になりたい人へ現役オーナーからアドバイス

「新宿区馬主会」に集まる新人馬主の大半はサラリーマン

競走馬競り市

北海道で行われる競走馬の競り市。良血馬にはとんでもない値が付くことも珍しくない 写真/あらいちゅ~

 その勉強会の一つが新宿を拠点とした「新宿区馬主会」です。参加者は中央馬主、地方馬主、はたまた牧場のオーナーなど、多種多様なホースマンたちが集まっています。  コロナ禍だった影響で久々となった12月の勉強会では、僭越ながら私が幹事役を務めました。当日は多数の新人馬主さんや、馬主資格申請中のみなさんに参加していただきました(※新型コロナ対策のため、換気と消毒・マスク装着の徹底・定員を大きく下回る空間の確保・会場では食事をしない等、自治体のガイドラインなどを参考にしたうえで開催されました)。  新人馬主の皆さんは経営者や士業の方が多いのですが、それでも半数はサラリーマンという感じでした。馬主業はやはり、特別なお金持ちの遊びではなくなりつつあります。地方競馬だと特にそうですね。  そしてみなさんに「これからどういう馬を買うのですか」と聞いたところ、ほぼ全員が「まずは共有クラブから始めたいと思います」という答えで、そのうち半数くらいの方が「いつかは一頭持ちにステップアップしたい」「仲間を集めて自分たちで共有したい」といいます。  この「共有でやりたい」という志向は経済的に余裕のある方でも同様でした。馬主になるハードルは確実に下がっています。ですが逆にみれば、1頭持ち馬主になるハードルは逆に高くなっているのかなと感じさせました。

馬代金の高騰とサラオクの無理ゲー化?

 私が馬主資格を取得したのは2017年だったのですが、当時は共有クラブがまだそれほど台頭しておらず、新人馬主さんでも「一頭持ちがしたい」という人が多かったように思います。それが数年で正反対になりました。背景には、やはり馬代金の高騰があるのではないでしょうか。  私がセリで新馬を買った頃は、200万円~300万円くらいの馬でも南関東で勝ち星を狙えました。実際にシトリンちゃんは200万円で購入したのですが新馬勝ちしています。  ところが今は200万円だとギリギリもギリギリ、厩舎によっては安い馬だからとお断りされてしまうラインで、見栄えの良い牡馬だと最低でも500万円くらいはすると思います。新馬には各種補助金があるとはいえ、ポチるには勇気のいるお値段です。  馬代金が上昇した原因は色々とありますが、昨今の売上好調に伴う地方競馬の賞金と手当の増額、そしてサイバーエージェント・藤田晋社長のような大オーナーが高額馬を大人買いしていったため、トリクルダウンで安い馬の値段まで切り上がってしまったというのが大きいのでしょう。  中古馬のネットオークションである「サラブレッドオークション」も同様の状況で、南関東で勝ち負けできる中古馬の値段は、数年前より100万~200万円ほど高くなっているように思います。  微妙に安い馬はベテラン馬主が避ける何かしらの瑕疵があるケースが多く、初心者が何百万も出して故障馬をぽちってしまったら、1頭目でいきなり馬主ライフ終了という可能性だってあるでしょう。こういった厳しい状況ですから、共有でいこう、となるのはとても理にかなっていると思います。
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それでも馬主になりたいなら……
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氷河期世代ど真ん中の生まれ。馬主で占い師で大家で零細企業の経営者。副業と投資と占いで「普通の人でも馬を持てる!」ことを証明するべく奮闘中。占いは四柱推命・紫微斗数をメインでやっています。Twitter:@araichuu

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