――茜屋さんは「ハートビート急上昇」のような曲、苦手意識がありそうですが……。 茜屋　レコーディングのときから、友希ちゃんとふたりで「ねえ……私たち、頑張ったよね……」って語り合いました（笑）。私たちふたりは特に得意ではないジャンルなので。 　スタッフさんからも「茜屋は『12月の〜』は得意だよな。『ハートビート』は肩の力を抜いてやって」と言われていて、まさにその通りでした。 　レコーディングではガッとスイッチ入れて頑張って、終わった瞬間、ホッとしたのか、涙が出てきちゃいました（笑）。 ――MV撮影ではどんな“オトナカワイイ”を表現したのでしょうか。 茜屋　私のかわいいはこれだ！って貫き通した感じです。いまの時代ってひとことで「かわいい」と言っても色々ありますよね。K-POPの“ガールズクラッシュ”（注：媚びない強い女性像を表現するK-POPの潮流）みたいな、従来のかわいいを覆す感じとか。そのイメージで、私の“かわいい”はこれだから、みんなついてこいよ！ってスタンスで撮影しました。 ――K-POPの雰囲気というと、前作の「Cheer up」からもつながっているイメージですか？ 茜屋　そうですね。「Cheer up」でこのオトナカワイイの路線が始まって。探り探り頑張ってみた結果、そこで掴めた感覚があったので、今回はそれを振り切ってやってみた感じでした。 ――その自分の思う“かわいい”がMVで色濃く出ているシーンはありますか？ 茜屋　MVが公開されたときが、ちょうど舞台に出ている時期でした。共演者の方も見てくれて、ファンの方も含め、いちばん多かった感想は「マカロンになりたい」でした（笑）。注目ポイントは私がマカロンを持ってるシーンですね。 ――舞台やアニメなど演技の仕事でかわいいキャラを演じるぶんには負担はないのでしょうか。 茜屋　それはぜんぜん大丈夫です。『キラッとプリ☆チャン』で、ザ・かわいいキャラのまりあちゃんというキャラクターを演じたのですが、そういうときは「かわいいがすべて！」と思って演じてるので。i☆Risは、自分としてステージに立つので、苦手意識があるんだと思います。 ――苦手とはいえ、MVの反響も大きく、こういう路線が好きなファンも多いと思います。 茜屋　そこがすべてですね。オンライン特典会でファンの方とお話したとき、「かわいかったよ」って言ってもらえたので、よかったです。喜んでくれる人がいるからこそ、頑張れますね。 ――今回は久々にリアル特典会が再開されますが、この2年の間にYouTuberとしての活動を始めたことで、新たなファンと会う機会になりそうですよね。 茜屋　みんなと久々に会えるのも楽しみですし、初めましての方もたくさん来てくれたら嬉しいですね。私は個人のYouTubeチャンネル「ひみちゃんねる」を始めてから初のリアルイベントなので、ある意味で、YouTubeのオフ会みたいな軽い感じで遊びにきてほしいです（笑）。 　この期間中にソロイベントで会えた人たちもいたんですけど、1対1でお話しできるのはまた違った楽しみがあるので、待ち遠しいですね。 【i☆Risプロフィール】 ‘12年に結成された声優とアイドルを両立するユニットi☆Ris。21枚目のニューシングル「12月のSnowry / ハートビート急上昇」を発売。ふたつの“冬の恋”を歌った両A面シングルとなっている。10周年イヤーに突入する’22年4月より全国8箇所16公演を巡る「i☆Ris 7th Live Tour 2022」の開催が発表されている ＜取材・文／森ユースケ＞