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地球温暖化を「わずか数年」で解決する方法とは。CO2排出ゼロでも気温上昇は抑えられない

植物と土壌を守ることが、最大の対策

4パーミルイニシアチブのサイトより2 化学肥料の使用は短期的には収穫量が上がるが、使い続けると、土地が荒れてしまう。農薬の大量使用は、人体にも生態系にも悪影響がある。「FAO(国連食糧農業機関)によれば、日本は比較的『土壌の安定地域』とされているものの、世界の土壌の流出や劣化、農地の荒廃ぶりは惨憺たる有様です。以前からその深刻さは指摘されてきたのですが、今、地球温暖化の大きな原因としても、注目されているのです。 『地球の肺』とも言われるアマゾン熱帯林は、ブラジル大統領が推進する牛の牧草地や大豆畑のために破壊されていますし、土壌の微生物達は殺虫剤や除草剤などで殺され、豪雨や洪水で土ごと失われています。『化石燃料を使わない』ということだけではなく、『植物』と『土壌』を守ることが、最大の地球温暖化対策なのです。そうして見ると、温暖化に関して『CO2の排出』が第一の問題ではなく、いちばんの大きな問題は多くの生命体の虐殺だったということが見えてきます」(田中氏)

農林業も温暖化に大きな影響を与えている

4パーミルイニシアチブのサイトより3 化学肥料を農地に投入することによって、CO2の310倍という強力な温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)が発生する。そのうえ化学肥料を生産する際にも大量のエネルギーが使用され、CO2が排出される。世界全体の温室効果ガス排出のうち「農業・林業・その他の土地利用」は、全体の実に24%だ。  化学肥料や農薬に依存した農業から脱却し、豊かな土壌を取り戻すことは、世界人口が増加し続ける中で食料の安定供給という点でも、温暖化対策という点でも重要なのだ。土壌がいかに大切なものかは、農業関係者のみならず、社会全体として共有していくべきことなのだろう。 文/志葉玲
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地球温暖化/電気の話と、私たちにできること

地球温暖化を数年で解決できる方法とは!?

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