更新日:2023年08月28日 14:22
スポーツ

プロゴルファーが語る「フェースを返さない」は真実ではない/三觜喜一

 教える側の経験則や主観で語られてきた既存の指導法とは一線を画す論理的なレッスンで、YouTubeチャンネル登録者数37万人とゴルファーから絶大な人気を誇るティーチングプロの三觜喜一氏。3月には「自身の集大成」と位置付けるゴルフレッスン本『誰も知らなかったゴルフの教科書』が発売される。そんな彼が『週刊SPA!』で1年半に渡って繰り広げてきた“誌上レッスン”をここに公開!
三觜喜一氏

三觜喜一氏(日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級)

Lesson03 ボールを真っすぐ飛ばすために必要な正しいスイングとは?

「忙しくて時間がないって言っていたのに、なんでSPA!で新連載を始めてるんですか!」  SPA!で僕の連載が始まると、あちこちからリアクションがありました。冒頭のブーイングは、某ゴルフ雑誌の編集者から。第1回でも少し話しましたが、ゴルフ雑誌のレッスン取材は、基本的にオファーをもらっても丁重にお断りしています。ゴルフ雑誌にはさまざまなスイング理論がごちゃ混ぜに掲載されていて、ゴルフの真実を伝えるのが難しいというのが理由です。ゴルフ雑誌編集者には「あれはリモート取材でやっているんです。写真も全部自撮りですよ」と返答しておきました(笑)。

開こうとするフェースを旋回させる動きが必要不可欠

 そんなゴルフ雑誌には書かれていない、ゴルフの真実を今回も話していきます。まずはゴルフクラブの特性の続きを。ゴルフというスポーツは、いかにクラブの重心をコントロール(管理)できるか否かのゲームです。ゴルフのクラブは野球のバットやテニスのラケットなどと違い、グリップの延長線上に重心・打点が存在しません。  そのため、スイング中は遠心力が働き、つねにフェースが外に開こうとする力が働きます。 「フェースを返す動きは必要か、それとも不必要なのか」  ゴルフ界では、そんな是非論がいまだに議論されています。僕に言わせればバカの極み。「いつまでそんな議論を続けているんだ!」と叫びたいですね。  グリップの延長線上に重心が存在しない“偏重心”という特殊な性質を持ち、スイング中にフェースが開こうとする遠心力が働くゴルフクラブで、ボールを“真っすぐ・遠く”へ飛ばすには、意図的にフェースを返して、開こうとするフェースをスクエアに戻す作業が必要不可欠。これはゴルフにおける物理的な原理原則で、議論の俎上に載せること自体がバカな話なんです。  ツアープロのなかにも「極力、フェースを返さないように打っています」と語る人がいますが、厳密に言うとフェースを返さずに打っているプロなんて、ただの一人もいないと断言します。別に、プロを「嘘ツキ」呼ばわりしているわけではないですよ。  彼らはフェースを返す動きが無意識に行える領域で身についているので、「フェースを返さない」と言っているだけ。また、プロは距離と方向を数ヤードのレベルでコントロールする必要があり、状況に応じてフェースターンの度合いを調節しています。飛距離よりも方向性を重視する場合、フェースターンを少し抑えて打ちますが、その度合いを“抑えて”いるだけで、まったくターンをしていないわけではないんです。そんな、プロの言葉をアマが鵜呑みにしても、ゴルフは上達しません。 ゴルフ
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シャフトの真ん中を持って旋回の重要性を体感
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みつはしよしかず●’74年、神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。ジュニア育成、ツアープロコーチとしても活躍。YouTubeの「三觜喜一MITSUHASHI TV」は登録者数41万人超

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【過去記事を参照 Lesson 1~41、82~】⇒日刊SPA!
【過去記事を参照 Lesson 42~81】⇒bizSPA!

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