更新日:2022年03月07日 15:27
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このままでは日本はウクライナの二の舞になる!ロシアの侵略を招いたウクライナの教訓

日本国憲法を忠実に守ればウクライナのようになる

 それでは、このウクライナの状況を見れば、日本はどのような結論を出すべきであろうか。よく考えればウクライナによる軍縮や軍事軽視は、日本の左翼(またはいわゆる日本型リベラル)が主張している、「平和主義」そのものではないか。  日本の左翼などのニセ「平和主義者」が、「武装さえしなければ戦争にならない」や、「こちら側は武装しているからこそ、それは相手側を刺激して、相手側も武装する。そして軍拡競争が始まる」などと主張している。まるで、こちら側は非武装のままでいれば、相手側も武装解除するかのように。  しかし、このような価値観は、平和思考が強くて戦争を嫌っている民族や国家同士でしか成り立っていない理屈なのだ。実際は日本の周りに、中国やロシア、北朝鮮や韓国がある。その中で、韓国とロシアは、既に日本の領土を何十年も不法占領している。また中国は日本に対して不当な領土主張をしているだけではなく、日本全体を支配しようと、さまざまな工作をしている。近年の中国の軍事予算増加や軍拡はご存じのとおりであろう。またはあの弱小のはずの北朝鮮ですら、数百人の日本人を拉致して、その事実すら否定している。そして弾道ミサイル発射で日本を脅しているのだ。  このような国々に囲まれた日本が「相手を挑発する」というのか。日本国憲法には「平和を愛する諸国民」という言葉が有名だが、私が思うに、「特に、平和をめちゃくちゃ大好きな諸国民が日本の周りに絶妙に揃っている」ということなのだ。

日本の平和主義は中国、ロシア、北朝鮮の侵略欲を高めるだけだ

 冗談はさておき、現実問題としては、仮に日本が丸腰になっても、それは相手側(中露朝)の軍事拡大路線に一切影響がない。日本は武装しようが武装解除しようが、相手側の軍事政策とは関係ないのだ。  ただし、日本は自分の振る舞いによって、中露朝の軍事政策に影響を及ぼせないのだが、自分の振舞いで彼等の対日行動に影響を及ぼすことができる。寧ろ、中露朝の対日行動は日本次第といっていいほどである。もし日本はこのまま軽武装政策を進み、軍事力を強化せず、「相手側を挑発しない」路線でいけば、中露朝が日本への侵略の欲望が高まるだろう。そして、日本で戦争が起きる可能性が高くなるのだ。それは正にウクライナとロシアの間に起きたことだ。  つまり、先述した構造とは、机上の空論でも、屁理屈でもなく、今現在、ヨーロッパで起きていることなのだ。だからこそ、反論しようがない。  もし、日本の偽「平和主義者」が軍事力強化に反対するのであれば、一言、「ウクライナを見ろ」というべきであろう。ウクライナの事例は単純明快であるので、少しでも論理的に考えられる人であれば、誰でも分かるであろう。  ウクライナの事例で分かるように、戦争を防ぐ最大の措置とは軍事力である。軍事力こそが最大の抑止力であり、一国の軍事力が強ければ強いほど、その国が攻撃される可能性が低くなる。  だから、平和を維持し、戦争を防ぎたいのであれば、軍事力を強化するしかない。ウクライナでは戦争になってしまったが、日本は同じような悲惨な目に遭わないことが、私の切なる願いである。
1987年ウクライナ・キエフ生まれ。2010~11年、早稲田大学へ語学留学で初来日。2013年より京都大学へ留学、修士課程修了。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程で本居宣長について研究中。京都在住。2016年、アパ日本再興財団主催第9回「真の近現代史観」懸賞論文学生部門で「ウクライナ情勢から日本が学ぶべきこと――真の平和を築くために何が重要なのか」で優秀賞受賞。月刊情報誌 『明日への選択 平成30年10月号』(日本政策研究センター)に「日本人に考えてほしいウクライナの悲劇」が掲載。
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