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50万円台で買える中古高級車。ゼロクラウンが“最後のお買い得”のワケ

なぜ、ゼロクラウンなのか

ゼロクラウン

アスリートの後席。上級グレード「アスリートG」になると、肘掛けのコントロールパネルが更に豪華に。座面もリクライニングする

 そうであるにも関わらず、なぜ私があえて「今こそゼロクラウンが旬」と考えるのかというと、その理由は、程度の良いゼロクラウンを見つけるのが年々困難になっているからです。  ゼロクラウンは、大ヒットしたクルマですから、中古車の個体数もそれなりに多いのですが、驚くべきことは、程度の良い個体が極端に少ないのです。  中古車の業者オークションでは、点数が付けられるのですが、現行の新車でもない限り、「極上」といえる車両の評価点は4.5点といったところ。しかしながら、4.5点のゼロクラウンは、ものすごく少ない傾向があるのです。  例えば、直近1ヶ月の間に、ゼロクラウンの中古が1000台出回っているとするならば、4.5点以上の車両はそのうち15台ほどにすぎません。ですから、流通している車両のうち、「1.5%ぐらいしか程度の良い個体がない」という状態であるのです。ちなみに、ゼロクラウンよりも1つ新しい、“200クラウン”の場合、4.5点は直近1ヶ月の間に100台近くあり、流通車両の10%程度が4.5点となっています。  分かりやすくいうならば、200クラウンの程度の良い車両を探す場合、10台見て1台と巡り合えるけど、ゼロクラウンだと、100台探して1台程度、という状態であるわけです。  ですから、程度の良い車両という観点ではゼロクラウンは、すでにレアモノとなっているわけで、今後「まとも」な個体は、ますます減る一方になっていくと予測できます。

ゼロクラウンに極上車が少ない理由

 では、なぜゼロクラウンに極上車、つまり4.5点以上の車両が少ないのでしょうか。その理由は、極めて単純で、どの個体も内装がダメになっているからです。  ゼロクラウンのオーナーには広く知られていることだと思いますが、内装のダッシュボードが割れやすいというウィークポイントがあるのです。  4年前の段階でも、ダッシュ割れ個体は一定数あったものの、その時点では、「ダッシュ割れがない」という個体もそれなりにありました。実際、私も5年前までゼロクラウンに乗っていたのですが、その個体は売るまでダッシュ割れが起こっていません。  しかし今、業者オークションで流通しているクラウンの多くが、「ダッシュ割れ」ありという状態になっているのです。もはや、中古車市場に流れてくるゼロクラウンは、ほぼすべてダッシュ割れなのではないか、といえるほどダッシュ割れ個体が多数を占めているという状態です。  そして、そのダッシュ割れ個体が多いということこそ、4.5点の車両が少ない理由。どんなにきれいな車両だったとしても、ダッシュ割れが発生していると4.5点にはなりません。  実際、売られている中古車を見ても、そこそこ程度が良さそうなワンオーナー車だったとしても、内装を見ると、ダッシュボードが蜘蛛の巣のように割れているという状態、というのをよく見ます。
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ダッシュ割れは直せるのか?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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