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50万円台で買える中古高級車。ゼロクラウンが“最後のお買い得”のワケ

ダッシュ割れは直せるのか?

ゼロクラウン ダッシュ割れ

最近のゼロクラウンは、助手席付近のダッシュボードがバキバキに割れた状態となっている個体が多い

 では、このダッシュ割れを直すにはどうすればよいかというと、ダッシュボードをまるごと交換するという手段があります。  車内前方を覆うダッシュボードをまるごと交換するなんて、なんだか重作業のようで、いったい“いくらかかるのか”と不安になるところですが、実は、ディーラーで新品部品交換した場合でも、部品代と工賃合わせても10万円程度で可能らしいのです。(正確な情報はトヨタのディーラー等に確認してください)  10万円程度で直るならば、ゼロクラウンのオーナーはダッシュボードを交換すればいいのに、と思うところですが、なぜ、これだけ多くの個体がダッシュボードを交換していないのでしょう。  これは、あくまで私の推測ではありますが、オーナー目線では、ゼロクラウンに10万円支払いたいという人が少ないのだと思います。というのも、ゼロクラウンの相場は、4年前の段階から非常に安い状態であるわけですが、そのような状態になったクルマに、10万円かけるというのは、心理的に「いや」なのだと思います。  また、中古で買ったとしても、総額40万円程度のゼロクラウンに、さらに10万円かけて、ダッシュボードを交換するという発想になりづらいのでしょう。  そのようなことから、ゼロクラウンの多くは、持病であるダッシュ割れが発生した状態で乗られており、中古車として流通する個体の多くが「ダッシュ割れ」状態なのだと思います。  しかし、このダッシュボードが割れた状態の内装は、見た目が大変よくなく、所有する喜びを半減どころか、幻滅させるほど。どんなにきれいな車両でも、誰か人を乗せたら、「ボロいクルマ」と思われてしまうことだと思います。  そういった意味では、すでに中古車相場が安いゼロクラウンの需要は、ダッシュ割れ問題によって、以前よりもさらに低くなっているといえます。そうなると、業者目線では、今後ゼロクラウンは、「売れない」から「解体する」という状態になっても不思議ではないのです。  そうなると近い将来、ゼロクラウンの現存数は「ガクッと減る」ということになりかねません。

部品供給はいつまで続く?

 さて、日本車といえば、年式が古くなるとパーツの入手難易度が上がるという傾向がありますが、このゼロクラウンの新品ダッシュボードの部品供給もいつまで続くかわかりません。  もしも近い将来、ダッシュボードの新品供給が終了したならば、「快適に乗れるゼロクラウン」は、ものすごいレア車両になることだと思います。  だから私は、今こそ中古でゼロクラウンを買って、ダッシュボードを交換し、きれいな状態で乗るチャンスだと考えるのです。  なお、4年前と比べて程度の良い車両が激減しているゼロクラウンですが、現段階では、ダッシュ割れ以外は概ね良好という個体が見つかる状態ではあります。そうなると、おおむね良好な車両を買ってきて、ダッシュボードを交換することによって、4.5点並に、程度が良いゼロクラウンを作れるというチャンスは今、まだあるのです。
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オリジナル仕様車を作るという楽しみ方
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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