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土地の売買で700万の大損も…。正直“じゃない”不動産屋の実態

寿司を奢った不動産屋は憤慨

 そして千葉県に行った大村さん夫妻は、不動産屋に行って話をすると、担当者が急に怒り出したようだ。 「不動産屋に他社と金額を比較したいと伝えると、いきなり怒り出しました。『もうお父様と契約した』の一点張りでとりつく島もない状態。でも、父とはお寿司屋さんで口約束をしただけで、書類による正式な契約はしていません。あとで調べてみると、口約束も契約として成立する場合があるようですが、書類がないことを主張した結果、なんとか契約は保留となりました」  その後、大村さん夫婦が比較検討した不動産会社は合計12社。少しでも高く売るためには、そのくらいの労力が必要なのだろう。そして一番高く見積もった不動産屋から、なんと1500万円の値がつき、最初の不動産屋と比べて700万円も高く売ることができたそうだ。 「さすがにこの金額は驚きましたね。改めて、父に任せっきりにしなくて良かったと思いました。そして最初の不動産屋に『他の会社にお願いすることにしました』と電話で伝えたところ、『あっ、そうですか』と、対応悪く電話を切られました。これぞ、その不動産屋の本性なのでしょうね」

最後まで不動産屋を信じていた父……

 ただ、大村さんの父親は「大損するところだった」という感覚はなかったようだ。 「父は最後までその不動産屋を信じてましたね。『良い人なのになんで約束を反故にするんだ。お寿司も奢ってもらったのに申し訳ない』と……。口が上手く、世間話にも付き合ってくれるので、一人暮らしの老人にはすごく頼りになるように見えたんでしょう。そこに付け入って、相場より安い値段で買い叩こうとしたんですね。とにかく老人一人で土地を売らせたら危険です。絶対にお勧めできません」  高齢の家族が独断で土地を売ろうとしていたとき、それを止められるのは家族しかいない。大村さんのように、しっかりと動ける身内が動かなければ、不動産屋の思い通りの価格で買い取られてしまうだろう。
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マンション所有者もトラブルに…
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お酒は飲めなくてもおつまみ大好き。趣味はゴルフ・筋トレ・パチンコ・神頼みの自称清楚系純情女子ライター。長所は諦めが悪いこと。「なせばなる」「なんとかなる」をモットーに、何事にも全力で取り組みます!  Twitter:@minnapikapika

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