ライフ

テレワーク中、“腰のあたり”に不気味な痛み。原因と対策を柔道整復師が解説

 突然の腰痛。しかし痛いのは背骨じゃないし、お尻でもない。具体的な箇所はなんとも言えないけれども苦痛が続く……なんて体験はありませんか。
腰痛で腰を押さえる日本人男性

※写真はイメージです(Photo by Adobe Stock)

 今回は、どこかわからないけど、とにかく痛みが走る“謎の腰痛”の正体と対策について、現役パーソナルトレーナーで柔道整復師の私(ヒラガコージ)がお話ししていきます。

自宅でデスクワークをしていたら突然…

 コロナ禍でリモートワークに切り替わり、自宅から一歩も出ない日が続いたある日。腰の辺りに違和感がある、謎の腰痛を急に発症した——。整骨院やスポーツジムで働いていると、ここ1〜2年で、こんな悩みを抱えた人とたくさん出会いました。「どこが痛いのですか?」とうかがっても、本人はうまく説明できない。そこで、触診をしてみる。鼠蹊部をゆっくり押し込むと、圧痛がある。じつは、このパターンで多くの原因になっているのが「腸腰筋」です。 腸腰筋 腸腰筋は背骨から太ももの骨に向かって走る大腰筋と骨盤の内側から太ももに走る腸骨筋を総称したユニットです。主に股関節の曲げ伸ばしが役割とされていますが、たんに股関節を動かすのではなく、歩行動作などの際に体幹部と下半身をつなぎ、バランスを保つ働きをする重要な筋肉です。  長時間のデスクワークに加えて、行動範囲が狭まって運動量が低下したり、小さな歩幅で体を動かしたりすることを続けていると、腸腰筋の活躍機会が減少します。これで弱化するだけでなく、筋肉自体が硬くなるため、滑りが悪くなって痛みにつながることがあるのです。これが謎の腰痛の正体です。

対策にはストレッチとトレーニングのコンボ

 この症状を改善するために私がお勧めするのはストレッチとトレーニングを双方で行うことです。ストレッチだけでは筋肉の滑りが改善しませんし、硬いままトレーニングをしても硬さを助長させてしまうため改善効果は期待できません。「伸ばす」と「縮める」を繰り返すことがとても重要です。 <腸腰筋ストレッチ> ①脚を前後に開いて立ちます。前は膝を曲げてしゃがみ、後ろは膝を床につきます。 ②重心を前に移し、後ろの鼠蹊部を伸ばします。 ※この際に骨盤を立てて腰を反ると鼠蹊部の伸びた感じが増しますが、表面に近い筋肉が強く伸ばされて腸腰筋のストレッチが薄れてしまいます。腰はまっすぐにするように注意してください。 ③2〜3秒伸ばしたら重心を一度元に戻して、再度前にかけ直して繰り返します。
腸腰筋ストレッチ

腸腰筋ストレッチ

※左右それぞれ10回ずつ、2〜3セット繰り返しましょう。 <腸腰筋トレーニング> ①姿勢を正して直立します。 ②背中が丸くさせないように左右の手を挙げてバンザイをし、膝を軽く曲げながらゆっくりと脚を上げるもも上げをします。 ③膝がおへそを越える高さを目標にゆっくり上げていきましょう。 ハンズアップステップ ハンズアップステップ 左右それぞれ10回ずつ、2〜3セットを繰り返してあげてください。ポイントは「ゆっくりあげる」「高くあげる」です。  もも上げ動作では腸腰筋だけでなく前ももの筋肉を使うこともあります。素早く上げてしまったり、膝の高さが低くしてまったりをしてしまうと、前ももの筋肉に力を借りてしまって腸腰筋へ純粋に効果を効かせることができません。前ももに気づかれないようにゆっくり高々と膝を上げましょう。  また、もも上げをする際にふらつきが強い方は、足裏を椅子などに乗せて、股関節を初めから90度にした状態でスタートするのも良いです。 <文/ヒラガコージ>
柔道整復師/パーソナルトレーナー。スポーツクラブでインストラクターとして指導をし、現在は医療国家資格である柔道整復師の知識を生かした身体機能の改善からダイエットまで幅広いクライアントを担当するフリーランスのパーソナルトレーナーとして活動中。公式「Amebaブログ」更新中
おすすめ記事
ハッシュタグ