妻「どうせ髪も少ないんだから1000円カットで十分」お父さんたちを襲う物価高の余波
ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルスの流行により、最近は「物価高」が叫ばれている。日本は先進国から「物価が安い国」と言われるようにもなって久しい。かつて後進国と呼ばれていたアジアの近隣国が経済的にも大きく成長するなか、香港やシンガポールなど、日本と同等かそれ以上に物価が高い国まで出てきた。
街には「100円ショップ」が溢れ、ただでさえ安価な牛丼屋がキャンペーンを行えば、サラリーマンたちが行列を作る。ニッポンを支える「お父さん」たちは、この現状をどう捉えているのか。
「昔は髪を切るのに一回5000円は払っていたけど、今はもっぱら1000円カット。安くなったと喜びたいけど、妻と娘は毎回1万円以上払っているし、高校生の息子も美容室に通い始めてね……」
都内の中堅専門商社で部長を務める会田匡さん(仮名・50代)が「安いニッポン」を感じるのは、理髪店の価格だという。
以前は近所の床屋ですら「総合カット(シャンプー・顔剃り込み)」の値段が4000円を下回ることはなく、一回5000円程度は払っていたというが、妻からは「どうせ髪も少ないんだから、1000円カットで十分」と、散髪代の値下げを要求されたのだと嘆く。
「今さらかっこいい髪型にしたいなんて思わないので受け入れていますし、確かに便利かもしれないけど、シャンプーも顔剃りもないからサッパリしない」(会田さん)
そのぶん、妻や子供たちの美容室代が上昇していることについては「指摘すると100倍になって返ってくるから」と諦めムード。
神戸市在住の会社役員・東海林章宏さん(仮名・40代)も、やはり同じような悲壮感あふれる体験談を吐露する。
「昔はヒラのサラリーマンだって昼食には1000円以上かけていましたよ。昼から焼肉を食べたり、高めの中華にいったり。ランチタイムが仕事中の楽しみだったのは平成の中頃ぐらいまでですかね?
最近のランチはもっぱら500円以内で、牛丼、立ち食い蕎麦、ハンバーガーのルーティン。稼いでいるはずの大人が学生さんに混じって牛丼をかき込んでいる姿は、今では当たり前になりましたけど……。安いニッポンを支えている我々中高年が、いちばん安いものを食ってがんばらなければならない。最近のランチタイムは、美味いものを食うというより、ただ腹を満たすためだけって感じやね」
妻から「どうせ髪も少なくなったんだから」散髪は1000円カット一択
ランチはもっぱら500円以内
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