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妻「どうせ髪も少ないんだから1000円カットで十分」お父さんたちを襲う物価高の余波

一杯100円の酒を飲むのが当たり前になった

居酒屋 サラリーマンの憩いといえば、仕事終わりの「飲み」や「夜の街」だが、ここにも「安いニッポン」の荒波は押し寄せている。 「以前なら一回飲みに行くと5000円以上は確実にかかったでしょう? 今は、ハイボールが一杯100円とか、1000円で2時間飲み放題とかの店がそこら中にある」  こう話すのは、都内の大手建設会社課長・勝島大介さん(仮名・40代)。酒代が安く済むのだから、一見悪いことはなさそうだが……。 「やっぱり値段相応。安かろう悪かろうで酒は薄いし、ツマミだって揚げ物や作り置きできるものばかり。昔なら立派な中高年のサラリーマンが“激安”みたいなのをウリにした居酒屋で飲むのなんて、世間体が許さなかったと思うよ。  でも、最近はそれが普通になった。たまにはちゃんとした店に行こうと思って探すんだけど、べらぼうに高く感じる。ちょうどいい“中間”の店がどんどんなくなって二極化が進んでいるね」(勝島さん)

夜の女の子の店でも…

 飲みの後の「ナイトスポット」でもその傾向は顕著に。 「飲んだら女の子の店に行くじゃない? そこも安い。1時間いて3000円なんてのはザラで、喜んで行ってみると、そのへんにたむろしているような化粧も髪もボロボロの若い子が出てきて『おじさん、酒飲ませて』なんて。特別感も何もない。とはいえ、高い店には手が出ず、やっぱり二極化がすごいんだよ」(同)  現在はアラフォーになり、立派な中年の仲間入りを果たした筆者だって、Tシャツ1枚に3万円を支払うこともあるくらいの「おしゃれボーイ」だったのは遠い昔の話。「ユニクロなんて着れるか!」と妻に豪語していたのに、今では「ユニクロなんか高い」と言われて、妻が怪しげな通販で購入した3枚900円のTシャツで過ごす日々。  何もかもが安くなったと喜びつつ、その質の低下を肌で感じる現役サラリーマンたち。日本を支える人々がこれなのだから「安いニッポン」化に歯止めがかかるはずがない。 <取材・文/森原ドンタコス>
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