更新日:2022年07月11日 16:46
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安倍元首相銃撃事件で危惧される「改造銃マーケット」の実態

危惧される改造銃マーケットの実態

 7月8日全世界に激震が走った、安倍元首相の銃撃事件。犯行に使用されたのが自作した銃ということで、危惧されるのが改造銃マーケットの実態だ。  日本では銃砲刀剣類所持等取締法により、許可なく銃や刀剣類を所持することが違法となっている。カッターナイフですら取締の対象になることもあり、正当な理由なく所持していた場合は、処罰を受けることもある。  日本国内で販売されている銃はというと、猟銃などを除き基本的に販売されているのは遊戯銃と呼ばれるおもちゃの銃だ。ガスやバネ、電動の力でBB弾と呼ばれるプラスチック製の球形弾を発射するおもちゃだが、100均でも購入できるほどの格安モデルから、年齢制限のある大人向けのサバイバルゲーム向けの遊戯銃が販売されている。  銃砲刀剣類所持が厳密に取り締まられている日本なのだが、一方で銃や剣などはアニメやゲームなどに頻繁に取り入れられており、比較的身近な存在となっている。

過去には遊戯銃による発砲事件も

 この遊戯銃、過去に何度か違法改造による発砲事件が起きている。2000年に熊本県で起きた改造エアガンでの強盗致死事件。2005年の和歌山県、阪和自動車道での改造エアガンによる乱射事件。  当時は、アフターパーツ等でプラスチックパーツを金属に置き換えたり、外部高圧ガスを用いたハイパワー化などが改造拳銃の主であった。これらの情報は、アングラ情報であり、インターネットの非合法情報サイトやマニア同士の情報交換のみで行われていた。  今ではこうした改造拳銃は、警察による規制強化やメーカー団体の自主規制により、現在では通常で手に入るエアガンを高出力化することはほぼ不可能となり、健全なスポーツ遊戯銃として販売されている。
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3Dプリンターを使って誰もが拳銃を作れる時代
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テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

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