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仁村紗和「上京して8年たっても関西弁が抜けないです」

逆境に立ち向かうために必要なものは…

――バツイチシングルマザーという役ですが、母親や育児に対する憧れは? あります。私自身についてはまだ想像できないですけど、亜子ちゃんは若くして子どもを産んで、小学5年生だし、やるしかない! 感じというか。娘と一緒にいるときはデレデレだったりするんですけどね。友だちのような親子関係と言えるでしょうね。 ――娘の咲妃役は『妻、小学生になる。』での演技が話題になった毎田暖乃さんですよね。 暖乃とは『おちょやん』で共演して仲良くなったんですけど、「親子にならないとね」ってクランクインする前に話し合いました。そうしたら手紙を書いてきてくれたり、母の日のカーネーションの絵を描いてくれたりして、もう“コミュ力お化け”なんですよ(笑)。彼女といると母性が勝手にでてくるというか、可愛くてしゃあないですよね。このドラマでも私と暖乃でしかできない距離感や空気感がでていると思います。 ――亜子は持ち前の負けん気でコロナ禍に立ち向かっていきますが、仁村さんは逆境に立ち向かうために必要なものは何だと思いますか? 撮影に入った最初の1、2週間、けっこう出ずっぱりだし、シーンの時系列も行ったり来たりなので、どこに自分がいるのかわからなくなって、なかなか演技に集中できない感覚があってすごい落ち込みました。けど、それでも次のシーンはやらないといけないし、明日は来るし、ということの繰り返しの日々のなかで「落ち込んでいられない!」と。 失敗に執着して状況が変わるならいいけど、それより「次」をもっと良くしようとすることが大事というか、「しゃあない、頑張った、オッケ!」と、気持ちを切り替えることが大事なんだなって思いました。それでも帰りにがっくりしてることもありますけど(笑)。

上京して8年目でも関西弁は抜けない

――SPA!には2018年「旬撮ガール」以来の登場になります。あれから4年、俳優としての成長を実感しますか? どうでしょう……でも、一番、楽しんでやってきた自信はあります。仕事ではありますけど、楽しんでやることが一番だと思うので。作品づくりはもちろんですが、一緒に仕事をする人とか、その場所にいる人が私はすごく好きだったり大事だったりするので。 ――現場では積極的に周りに話しかけるタイプですか。 そうですね。「お腹よく鳴るんですけど、どうやったら止まりますかね?」って録音部さんに聞いたり。「録音部泣かせ」ってよく言われるので(笑)。でも、そこから逆に生まれるもののほうが多い気がして。休憩中にしゃべってる会話のなかから「あ、てか、このシーンこれ、さっきのやつやったらええやん!」とかなったり。なんでもない会話からキャラクターのクセとかが生まれたり。 ――出身地である大阪で撮影されているせいか、インタビューにも関西弁が時々でてきますね。 上京して8年目になるんですけど、関西弁が抜けなくて(笑)。けっこうやっぱりそういうカルチャーの人なんやな、大阪の人なんやなって思います。どっぷりですね(笑)。でも、今回のドラマの舞台になっている尼崎で売ってるお野菜がすっごい安いんですよ! 撮影現場でも「このアボカド、5つでなんぼやったと思う?」「なんぼやろ?」「300円」「5つで!?」みたいな。いつもそんな感じです(笑)。
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『男はつらいよ』シリーズ全48作を制覇します!
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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