ワンオペ育児にウンザリ。夫が妻不在で気づいた育児の大変さ
夫婦といえども、もともとは他人同士。お互い育ってきた環境や、価値観も違う。そこに子どもが生まれて育児の負担まで増えると、いさかいが起きても仕方がないといえる。今回は、妊活を経て子宝に恵まれたという近藤ヒカリさん(仮名・36歳)のエピソードを紹介する。
夫は、育児をまったく手伝わなかった。だが、あるきっかけで見違えるほどに変化。近藤さんは感動しているという。
ヒカリさんは、4歳年上の夫と4年前に結婚した。ちょうど失恋したばかりで、友達でもいいから誰か親しい友人を見つけたかったという。
「夫とは、女友達から誘われた合コンで知り合いました。外見はあまり好みではなかったのですが、IT企業でエンジニアをしていて真面目そうな人柄に惹かれました。大学卒業後は、しばらくは公認会計士の資格取得の勉強をしていたそうなのですが、合格はできなかったものの、異業種だったIT企業に転職をしてエンジニア関係の資格を取ったと聞いて、頼りになりそうって思ったんです」
結婚当初は、しばらく子どもをつくらずに夫婦の時間を楽しもうと考えていた。
「夫もずっと仕事で忙しかったみたいだったので、妊娠は自然の流れに任せようと思っていました。でも思っていたよりもすぐには妊娠ができなかったので、2年前から不妊治療のクリニックに通いました。二人とも異常はなかったので、妊娠しやすくなるようなタイミング法や卵管造影なども試しました。人工授精も考えていた時に、二人で沖縄旅行に行った後のタイミングで妊娠したんです」
ヒカリさん夫婦にとっては念願の赤ちゃんだった。しかし、思っていた以上にヒカリさんの負担が大きかったという。
「私は鉄道関連の企業で事務をしていたのですが、契約社員だったので、そのまま契約終了のタイミングで退職したんです。そしたら、一気に料理や洗濯などの家事から育児まで私がやることになったんです」
ヒカリさんはもうすぐ1歳になる女児を育児中だ。夫は毎晩終電近くまで働いているためほぼ毎日がワンオペ育児だという。
「それでも赤ちゃんができたのは嬉しかったし、私が育児メインなのは構わないのですが“それが当たり前”という夫の態度がむかつくんです。出産前に、鎖骨くらいまであった髪を顎くらいのショートボブまで短くしたんです。でも最後に切ってから一年近くたって、ぼさぼさな感じで伸ばしっぱなしだったんです。
鏡を見るたびに、メイクもしていないし、メガネで髪も伸びていて惨めな気分になって……。生後半年が過ぎて、やっと授乳の間隔も伸びてきたし久しぶりに美容院に行きたいと思ったんです。生後7カ月が過ぎた時に、やっと美容院に行けましたね」
休みの日もヒカリさんが育児をしているため、夫が赤ちゃんと半日以上過ごすのは初めてだったという。
妊活の末、出産。可愛いはずの赤ちゃんなのに、母親メインの育児に疑問
ワンオペ育児が当たり前の日常、夫が娘との留守番に初挑戦し…
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出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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