更新日:2022年11月14日 15:41
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なぜ、人は『スプラトゥーン』にハマってしまうのか? 最新作が「3日で345万本」の衝撃

3日間で345万本を突破!

スプラトゥーン3

新アクションと武器の追加でパワーアップした『スプラトゥーン3』公式サイト

 9月9日に発売された『スプラトゥーン3』が絶好調です。任天堂の発表によると国内販売本数が、発売後3日間でなんと345万本を突破。これは、Nintendo Switch向けソフトの3日間の国内販売本数としては過去最高の数字です。今後どれだけ本数を伸ばすか楽しみです。  そもそも初代『スプラトゥーン』は、Wii Uで2015年に発売されました。『ピクミン』(2001年)以来、14年ぶりとなる任天堂の完全オリジナル作。なぜ『スプラトゥーン』はここまで多くの人をひきつけたのでしょうか。今や看板シリーズとなった、その魅力の秘密を考えていきたいと思います。
スプラトゥーン

Wii Uでは異例のヒットとなった初代『スプラトゥーン』公式サイト

(1)対戦型シューターとしては異色の世界観

 初代『スプラトゥーン』が発売された2010年代は、『コールオブデューティ』が世界で一番売れるシリーズのひとつとして定着するなど対戦型シューターのジャンルが世界的に盛り上がった時期。しかし、その多くがミリタリーもので、硬派なイメージがありました。それをガラリと一変させたのが『スプラトゥーン』。「まったく新しいゲームを作ろう」と任天堂の中枢である情報開発本部のプロジェクトチームが、半年間かけて70個以上のアイデアを出した結果生まれた本作。もとはごま豆腐と木綿豆腐が陣地を取り合う遊びだったのがさらなるディスカッションの末、現在のイカ人間になったそうです。  ただかわいい、ただ明るいだけでないのが任天堂的ファンタジーの特色。異常気象で海面が上昇し人類滅亡後、1万2000年が過ぎた時代。人型に変身できるようになったイカとタコがナワバリを巡って抗争を繰り広げている……。ポップでありながらサイケデリックで、カウンターカルチャー的な要素も垣間見えます。思えば『スーパーマリオブラザーズ』もキノコを取って巨大化、フラワーで炎を吐くなど独特のファンタジックなセンスが人々の興味をそそりました。 『スプラトゥーン』も、『マリオカート』や『スマッシュブラザーズ』のように対戦型シューターに既存のキャラを載せる方向性もあったかと思います。しかし、まったく新しい世界を構築することで、任天堂の新規ゲームとして受け止められ、このジャンルに興味がない人も巻き込んだと言えそうです。
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対戦型シューターに『スプラトゥーン』がもたらしたものとは?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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