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日本を小国に叩き落とした「平成の政治」とは一体なんだったのか/倉山満×KAZUYA

今や中国は、日本と張り合ったこと自体が恥ずかしい

KAZUYA:企業活動でも、「1位を目指そう」ではなく、「2位でいいや」では間違いなく劣化して没落しますよね。平成初期はバブルの余波があったのかもしれませんが、僕は生まれてこの方、経済が伸びていると感じたことはありませんでした。最近、値上げ報道が相次いでいますが、善し悪しはともかく、物の値段が上がるという当然のことが起こり始めて、ようやく日本も転機が訪れたのかなと。 倉山満氏 KAZUYA氏 『沈鬱の平成政治史』『日常は情報戦』倉山:30年間、日本のGDPは五兆ドル前後のまま横ばいです。中国のGDPは14兆ドル。日本のおよそ三倍です。 KAZUYA:2000年代初頭は、まだ日本が圧倒的に上でしたよね。 倉山:リーマン・ショック以降、中国に抜き去られました。当時、麻生内閣が行った財政出動と白川方明日銀総裁の金融政策が相まって、デフレが深刻化しました。続く民主党政権では、自民・公明両党の協力で東日本大震災の復興増税や消費税増税が決まります。麻生内閣と民主党政権で、日本を経済大国から叩き落したのです。 KAZUYA:日本人は、その間も本質的には変わっていないのですから、問題は政策ですね。

政治家や官僚は日本を潰したいのか?

倉山:世界の経済学の教科書で、日本は反面教師となっています。国民が善良で、麻薬が流行るわけでもない、怠惰でもない真面目な国民なのに、政治が悪いだけでここまで酷くなると。日本は早すぎる金融引き締めや、余計な増税の失敗モデルです。 KAZUYA:陰謀論ではないですが、政治家や官僚は「日本を潰したいのかな」とさえ思います。 倉山満氏 KAZUYA氏 『沈鬱の平成政治史』『日常は情報戦』倉山:今や中国は、日本と張り合ったということ自体が恥ずかしいとの認識です。’22年2月に行われた北京オリンピックでも、「日本と張り合う」などという意見はまったく出なかった。日本を抜き去って、もう見向きもしない、顧みること自体が恥というくらいの扱いになっているのです。 KAZUYA:相対的に日本のパワーが落ちているということですね。 倉山:最近は、中国が日本をほったらかしにしすぎて、二階俊博の後継になる親中派議員を育てるのを忘れていたと大慌てだとか。保守系の人たちには嫌われる親中派議員ですが、二階派だから親中派で売国の徒だというほど単純な話でもありません。
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支持率が下がった岸田政権でもきっと勝ててしまう野党の弱さ
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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