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日本を小国に叩き落とした「平成の政治」とは一体なんだったのか/倉山満×KAZUYA

平成の政治は、最後の最後でいつも上手くいかない

KAZUYA:単純化して勧善懲悪ものを求めているのですよね。けれども、現実政治はそんなにスカッと気持ちの良い話ではないです。 倉山:まして「闇の実力者」がすべてを決めるなんてこともない。「竹下が首を縦に振れば終わり」と言われた頃も、竹下はいろいろな人の思惑を見て決めています。 KAZUYA:派閥の動向や議員の力関係、権力基盤の有無など背景を見ると、より政治が明瞭に見えます。平成の政治は、惜しいところまでいっても、最後の最後で上手くいなかったことが何度もあると思うんです。 倉山:自民党自体が官僚の敷いたレールの上に乗っかり「これくらいやっておけば成功だろう」と温いことをやっているからです。 KAZUYA:平成の政治を知って、日本の状況を理解した上で今後のことを考えていかないと、また同じ失敗をするのでしょうね。 倉山:永久に同じことを繰り返しますし、単純に自民党を潰せばいいわけではありません。

支持率が下がった岸田政権でも勝ててしまう野党の弱さ

KAZUYA:問題は、昭和の社会党から平成の民主党、令和の立憲民主党まで、ずっと野党が弱いことです。今、支持率が下がった岸田政権でも、また選挙をやれば自民党は普通に安定多数を取ると思うんです。 倉山:それでは選挙の意味がない。「政治とは、よりマシな選択の連続である」という言葉がありますが、今は合格最低点を下回りすぎです。自民党は選挙に負けそうになると、あらゆる手段を使って猛然と改革を始めます。健全な権力欲です。自民党を改革したければ、まともな野党第一党を作ることです。 KAZUYA:立憲民主党は、もうどうにもならないですよね。 倉山:立憲民主党内のまともな議員が気の毒なぐらい。一度潰れるしかないでしょうね。
倉山満氏 KAZUYA氏 『沈鬱の平成政治史』『日常は情報戦』

KAZUYA氏と倉山満氏

【KAZUYAプロフィール】 ‘88年、北海道生まれ。政治系動画配信者。’12年、YouTube等に「KAZUYA CHANNEL」を開設。以来、時事や政治などを取り扱った動画をほぼ毎日配信。チャンネル登録者数は67万人超。『日常は情報戦』が発売中 <取材・文/細野千春 撮影/後藤 巧>
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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日常は情報戦

我々はなぜ偽情報に踊らされ、荒唐無稽な言動に出てしまうのか

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