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かつての中国の最高指導者・江沢民が死去。一時代を築いたその堅実さ/倉山満

戦わずして、世界第二位の大国の地位を不動のものに

 国際社会ではパワーとは核兵器の事だ。’98年にはフランスの後に、中国は核実験を行う。  ’99年のユーゴ紛争では、米欧がロシアの子分のセルビアを袋叩きにしたので、ロシアは中国にすり寄ることとなる。この紛争ではユーゴの中国大使館誤爆事件が発生したが、これを奇貨とするかのように、法輪功を大弾圧した。  広く世界の情勢を見た上で行動を選択する、大局観に優れた政治家だった。そして、米欧が小規模ながら戦火に明け暮れ、ロシアが国力を衰退させていく中で、戦わずして、中国の世界第二位の大国としての地位を、名実ともに不動のものとした。  江沢民の後継者は胡錦濤・習近平と続くが、上海閥のドンとして一定の影響力を誇った。  今の習近平は、毛沢東のように「ズボンを履けなくても核武装する」のような路線と決別、鄧小平・江沢民の、「経済大国となって戦わずして勝つ」の路線を歩んでいる。  アメリカすら脅かす中国。我が国は、どうする?
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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