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朝倉未来「1分間大会」敗戦の“椅子蹴りラウンドガール”を直撃「“人生終わった”と思っていたけど」――2022年トップ10

あらゆる障壁を乗り越えて

青山あいり

島で修行中の様子(本人提供写真)

 かねてより「格闘技をやりたい」という気持ちを抱いていたが、それを実現するにも“覚悟”が必要だった。 「バスケを10年、ほかにも陸上とか駅伝とか、スポーツは続けていました。そのぶん、自分がプロのスポーツ選手としてやれるのか、わかってしまうんです。努力だけではなくて、もちろん才能も関係がある。そこまでの力がないことは理解していました。  また、ラウンドガールやレースクイーンとして活動する以前、もともとは国家資格を取得して病院に勤めていたのですが、病気で倒れてしまい、仕事を辞めざるを得なかったんです。ほかにも過去に怪我が原因で大きな手術を経験していたので」  そんな彼女の格闘技挑戦について、「最初は応援してくれる人もいなかった」と話す青山さん。だが、手を差し伸べてくれる人たちも出てきた。
青山あいり

試合に向けてトレーニングを重ねる青山さん(本人提供写真)

「ふだんは“狂拳”竹内裕二選手のGORIGYMで練習させていただいて。もともと釣り仲間だったモハちゃん(モハン・ドラゴン選手)がいる士魂村上塾や、啓之輔くん(吉永啓之輔選手)のキングクラフトにも行かせてもらって。あとは、よく公園でひとりでやっていましたね(笑)。吐くほど追い込むことを目標に毎日練習していました」

「想像していた以上の影響を与えられた」

青山あいり

毎日自分を追い込んでいた(本人提供写真)

 キックボクシングルールで行われた試合本番は、序盤から果敢に打ち合ったが、結果は判定で敗れてしまった。しかし青山さんは「BreakingDown」に出場して本当に良かったと何度も口にする。 「試合の直後から『励まされた』『勇気づけられた』『これから自分も挑戦してみようと思います』というメッセージが届いて。最近は『実際に始めました』というものが増えました。内容が、時間の経過とともに“思っている”段階から“行動に移した”段階に変化してきているんです。自分が誰かの人生をポジティブに変えられたんだと実感して、すごいうれしくて。負けてしまったけど、想像していた以上に影響を与えられたんだって」  青山さん自身も「挑戦するのが楽しい」と思えるように。 「負けて悔しいけれど、自分には無理だと思っていたことを、またやるチャンスが生まれたので。格闘技に限らず、ここからは再起してがんばるだけの状況。挑戦すれば、うまくいかなくても、必ず何かを得られる。SNSやYouTubeも苦手だったんですけど、やってみようと思えるようになりました。すべてを捨ててのぞんだからこそ、そこにどんどん新しいものが入ってきている」  実際、彼女のもとには、これまでのラウンドガールの仕事はもちろん、以前では思いもよらないオファーが続々と届いているという。
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プロ格闘家の弟との夢
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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