更新日:2023年01月01日 06:15
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初詣に「正しい作法」は無い。お坊さんがぶっちゃけるホントのお参り方法

 年末年始のイベントといえば初詣。コロナに不景気、何かとシビアな世の中で、神仏のご利益にあやかりたい人も多いだろう。せっかくなら、寺社仏閣でのマナーやルールを知ってからお参りしたいものだ。  そこで今回は、初詣に関する素朴な疑問をお坊さんにぶつけてみた。

お寺と神社をどう見分けたらいい?

豊川稲荷

愛知県の豊川稲荷。見た目は神社だが実はお寺だ(画像は、写真ACより)

 今回取材に応じてくれたのは、僧侶であり山伏(※山中で修行をする修験道の行者)でもある、関西在住の松平さん(仮名/30代)。仏教と神道はもちろん、民俗信仰にも通じている専門家だ。 「私は日頃から、明治時代以前の信仰のあり方を大事にしています。なので、今の人が考える日本の宗教への見方と少し違うかもしれません」  そう前置きした上で、質問に答えてくれた。まず伺ったのは、お寺と神社の見分け方だ。日頃から寺社仏閣に縁がない人だと、パッと見でどちらがどちらか分からないかもしれない。 「よく『鳥居があれば神社』と言われますが、そうとは限りません。鳥居は、非日常(ハレ)と日常(ケ)を分ける目印に過ぎないからです。鳥居のあるお寺も珍しくなく、高野山などでは大名家のお墓に鳥居があります。また、日本には神仏習合の歴史があるので、お寺でも神様を祀っているんですよ。お寺の本堂の外に祠などがある場合は、鳥居が立っていますね」  例えば愛知県豊川市にある「豊川稲荷」は、稲荷と名付けられているものの曹洞宗の寺院なのだとか。

「鰐口」があればお寺

鰐口

奈良県興福寺にある鰐口

「あそこはご本尊の千手観音よりも、鎮守神(※特定の地域や建造物を守護する神様)の稲荷のほうが大きくなってしまったんですよ。このように、お寺だけど神社のようになっているところも。鳥居以外に見分けるポイントは、鰐口(わにぐち)があるかどうかです」  鰐口とは仏具の一種であり、お寺の正面の軒先に吊り下げられている。神社における「鈴」と同じ役割を持ち、打ち鳴らすことで仏様への参拝の合図になるそうだ。 「あとは、お寺だったらお堂の前に香炉があります。鳥居、鰐口、香炉の有無でお寺か神社か判断してみてください。手っ取り早いのは、扁額(※門・鳥居などの高い位置に掲げられている額)や看板を見ることですけどね(笑)」
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お参りする前に手を洗ったほうがいい?
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0

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