更新日:2023年01月01日 06:08
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初詣に行くならココ。お坊さんが教える3つの場所

 4年目に突入したコロナ禍。最近では街に人が戻り、厳しかった各種感染症対策の制限も緩みつつある。寺社仏閣は今年も初詣の「分散参拝」を呼びかけているが、連日の参拝客数は昨年を上回る見込みだ。  今年は家族や親戚、友人たちとお参りに行く機会が多いかもしれない。人によっては、初詣帰りの飲み会も解禁だろう。  しかし初詣に何回も行ったり、三が日をすぎたりしてもご利益に変わりはないのだろうか?  そんな疑問をお坊さんにぶつけてみたところ、初詣にまつわるおもしろエピソードと、最強にご利益のある「お参りすべき寺社」を教えてくれた。これを読めば、新年会の席で豆知識を語れるかも!?  

伝統と見せかけて…実は新しい初詣

初詣

※写真はイメージです

「初詣は何回行ってもいいし、あちこちのお寺や神社に行っても大丈夫です。同じ日にお寺と神社をハシゴしても問題ありません」  そう語るのは、僧侶であり山伏(※山中で修行をする修験道の行者)でもある、関西在住の松平さん(仮名/30代)。仏教と神道はもちろん、民俗信仰にも通じている専門家だ。 「これといった決まりがないのは、初詣がそもそも新しい文化だからです。歴史的には100年も経っていません。江戸時代なんて、年末年始は家にひきこもるのが一般的でしたよ」  古くからの伝統かと思いきや、意外と新しい慣習なのだという。では、初詣が登場する以前の日本人は、年末年始をどう過ごしていたのだろうか。

江戸時代の年末年始は「ひきこもり」が普通だった

春曙恵方詣

香蝶楼豊国,一陽斎豊国,蔦屋吉蔵『春曙恵方詣』国立国会図書館所蔵

「江戸時代には、大晦日の夜から元旦にかけて家にこもる風習がありました。大晦日の夜に、歳神様(※その年の福を司る、日本古来の神様)が家にやってくると考えられていたからです。家にこもって神様をお迎えし、朝になると氏神様へお参りに行く。これが近世のお正月の習わしで、『おとしとり』と言います」  今も残る門松や鏡餅の風習は、歳神様を迎えるためのものだ。そのほかにも「恵方参り」という正月行事が存在していた。 「恵方参りはその年の恵方(※陰陽道における歳徳神がいる方向)にある寺社を参拝するものです。実は、これが初詣の原型と言われています。江戸の町では盛んにおこなわれていた恵方参りですが、農村部にはない文化でした。田舎だと山に囲まれているから、お参りしようにも山越えする必要がある。でも明治に入って鉄道ができたおかげで、地方の人たちもお参りに行けるようになったんです」
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鉄道の開業で…
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0

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