更新日:2023年01月01日 06:09
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当たる「おみくじ」の引き方と、効果がある「お守り」の買い方。お坊さんが解説

 初詣の醍醐味といえば、出店に甘酒、運試しのおみくじ。新しいお守りを買うのも楽しみのひとつだ。新年一発目に大吉を引いて、お守りで効果倍増を狙いたいと考える人もいるだろう。   そこで今回は、お坊さんに当たるおみくじの引き方とお守りの選び方をこっそり教えてもらった。

おみくじには正しい引き方がある

おみくじ

※写真はイメージです

「皆さん勘違いしているんですが、おみくじの内容すべてが当たるわけではないんですよ。あの中のどれかひとつだけが、自分に当てはまるものなんです」  話を聞かせてくれたのは、僧侶であり山伏(※山中で修行をする修験道の行者)でもある、関西在住の松平さん(仮名/30代)。仏教と神道はもちろん、民俗信仰にも通じている専門家だ。  一般的なおみくじには、「願望」や「商売」「結婚」など、複数の項目が書かれている。どれかひとつだけしか当てはまらないとは、一体……? 「おみくじって、悩み事や相談事、願い事があるときに引くものなんです。聞きたい事ひとつに対して引く。金運が知りたいなら、それを心の中で願いながら引いてください。そして金運のところだけを見る。聞きたい事がふたつあるなら、2回目を引きましょう。私自身、『これはどうですか。じゃあ次にこれはどうですか』って感じで、細かく分けて聞いています」  初詣に何回も行く予定があるなら、願い事をその都度変えながらおみくじを引くのもいいそうだ。よくある「大吉が出るまで引く」行為は、何の意味もないという。

おみくじで大事なのは「和歌」の部分

おみくじ「大吉や小吉といった運勢の部分は、『今、自分が立っている地面』を的確に表したものです。これからジャンプしなければならない泥濘(ぬかるみ)にいるのか、コンクリの上にいるのか。どんな状況にいるのかを教えてくれています」  つい大吉や凶をアタリはずれのように捉えてしまいがちだが、引いた時点での自分の状況を表しているだけ。それよりも注目すべき箇所があると、松平さんは語る。 「おみくじでいちばん重要なのは、和歌や漢詩の部分です。今の悩みをどうすれば解決できるのか、そのアドバイスが書かれています。カレーで例えると、運勢は『辛さのレベル』を表していて、和歌は『どう辛いのか。どうすれば甘くなるのか』を教えてくれているわけです」  もし願い事がないなら「今年一年どうですか」と聞き、和歌だけを読めばいいそうだ。たいていのおみくじには古語の現代訳が添えられている。古語が読めない人は、訳の部分を見てみよう。 「ただし『物事は常に変化していく』のが東洋の考え方なので、おみくじの内容も、その後の自分の行動次第で、当てはまらなくなることもあります。あくまで現状把握のためにやるものと捉えましょう」
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おみくじの素朴な疑問
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0

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