更新日:2023年02月05日 17:39
仕事

“スーパー銭湯”発祥のお店、開業当時の不安「建設費5億円、入浴料330円で採算が」

スーパー銭湯をコロナ禍から救ったものは?

「竜泉寺の湯」岩盤エリア

 その後、こちらも全国に先駆けて導入した「岩盤浴」によって女性客が増えたという。聞くほどに、温浴施設のあらゆるサービスのパイオニアであることがわかる。そんな同施設にもコロナ禍の影響は大きな影を落とした。 「コロナで売り上げは大きく落ち込みました。特にお年寄りと女性客が激減しました。また、家族連れも一気に減りましたね。コロナが広がり始めた頃は、感染すると差別を受けるような時期もありましたので、学校でクラスターを起こさせないように、家族連れのお客様もいなくなりました」(松永副社長)  当初は、誰もが一過性のものと見込んでいたコロナ禍。それが長引くに従って、回復は見込めないんじゃないかという不安も蔓延していたと同氏。しかし、それを救ったものがあった。 「危機を救ってくれたのが今のサウナブームです。今まで、温浴施設にあまり来られなかったような特に若い男性客が来ていただけるようになりました。30年前に『サウナを広めたい』と思って始めたスーパー銭湯ですが、それが30年経って、サウナに救われるというのは感慨深いものがありますね」(松永副社長)

「竜泉寺の湯」天空ほたるの湯

 今後について話を振ると「ブームと言っても、まだまだサウナや高濃度炭酸泉に入ったことのない方はたくさんいると思います。魅力的なサウナとお風呂で、未体験の方にも来ていただき近場で非日常体験を味わってもらえたらと思います。」と松永専務。筆者は、スーパー銭湯が”もっとも身近なレジャー”だと思う。その歴史を知って入るサウナと風呂は、また一味違って感じるかもしれない。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ