更新日:2023年02月24日 10:07
お金

馬券スランプ時に試すべき「複勝転がし」。日本のオッズ方式に着目した戦略とは?

単複逆転という超常現象も

競馬

1着を当てるのが単勝で、3着以内でも的中なのが複勝。本来、配当は単勝>複勝になるのだが……
写真/橋本健

 2023年1月21日小倉3Rの3歳未勝利戦で世にも奇妙な出来事が起こりました。レースは2番人気・単勝オッズ3・4倍の⑩メタマックスが制したのですが、その払い戻しが単勝340円、複勝400円だったのです。  1着しか払い戻しのない単勝と3着までに入れば払い戻しがもらえる複勝。難易度は明らかに単勝の方が上で、もし、⑩メタマックスが2着や3着だったら、単勝は外れ馬券に。それなのに、複勝配当が単勝配当を上回ったのです。  なぜこのような、一見理不尽に思えることが起きたのでしょうか。

日本ではパリミュチュエル方式が採用されている

 それは、日本での馬券販売が、パリミュチュエル方式を採用しているからです。  主にヨーロッパで採用されているブックメーカー方式では、賭けた時点でオッズが決まっています。胴元が設定したオッズが有利か不利かを判断して、客はお金を賭けることになります。  対してパリミュチュエル方式は、売上から一定の割合を胴元が差し引いて、残ったものを的中者で分配します。「一定の割合」というのは控除率のことで、JRAの場合、単勝の控除率は20%なので、売上が100万円だったら、20万円をJRAが差し引いて、残る80万円を的中者で分け合うということ。的中馬券に投じられた金額が20万円だったら単勝オッズは4倍に、2万円だったら単勝オッズは40倍になります。 「外れ馬券に賭けた人のお金を当たり馬券を買った人たちで分け合うこと」がパリミュチュエル方式の本質で、外れ馬券を買う人が多ければ配当は大きくなるのです。
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複勝の仕組みに着目した馬券術「魚谷複コロ術」とは
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馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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