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「ラーメン山岡家」が快走。日高屋、一風堂と明暗を分けた“絶好調の背景”

都会に住む人にはきっとわからない“山岡家のスゴさ”

山岡家

丸千代山岡家ホームページより

 そもそも、いまこの記事を読んでいるあなたは山岡家を訪れたことがあるでしょうか。生活の中心が都心部の方は山岡家を知らない、もしくは食べたことがないという方もいるかもしれません。  実は山岡家の東京都内の出店は瑞穂店(東京都瑞穂町)の一店舗のみ。  東京都瑞穂町は西多摩郡に属し、都心部エリアからは遠く離れ、23区内でもありません。「東京都」とは言っても人の行き来は多くなく、郊外とも呼べるような場所です。  2022年12月の段階で山岡家は全国に175店舗を出店しており、店舗数自体は決して少なくありません。しかし、最も人口の集中している東京への出店にはまったくといっていいほど力をいれていないのです。  実は山岡屋のこの出店方針に業績好調の理由が隠れています。

インバウンド需要に左右されない

 山岡家の公式サイトには物件募集のページがあり、その中で物件の条件が明記されています。これを見ると、山岡家の出店方針は「ロードサイド/主に幹線道路沿い」と明示されています。  都心で店舗を見かけない理由がここにありました。山岡家の出店は“郊外特化のダークホース”なのです。  郊外店はインバウンド需要に左右されません。そのため、都市部を中心とした飲食チェーンのようなダメージをコロナ禍でも負うことはありませんでした。  ただ、これだけが好調の理由ではありません。さらに出店方針を深堀りすることで好調の核心がわかります。
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24時間営業、シャワー完備
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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