ニュース

軍事クーデターから2年余り。在日ミャンマー人たちが日本政府に望むこと

「軍事政権を認めないで」在日ミャンマー人が申し入れ

 抗議行動の当日、「在日ミャンマー人コミュニティ」の代表者たちが、申入れ書をミャンマー大使館のポストに投函した。内容は以下のとおりである(一部抜粋)。
ミャンマーデモ2

代表者が大使館への申し入れ書をポストに投函する

================ ア、ウィンミン大統領、アウンサンスーチー国家顧問を含め、不当に拘束された市民の即時解放に協力すること。 イ、軍評議会が2023年に実施を報じている総選挙を認めないこと ウ、国際社会は国民統一政府と公式な外交関係を樹立し、軍事独裁体制の根絶を支持すること。 エ、連邦制民主主義の樹立のために尽力すること。 オ、テロリストの指導者ミンアウンフラインを含む、犯罪を犯したミャンマー軍に対する責任を迅速に追求すること カ、ミャンマー国民を殺害し続けている軍部への指示や援助を即時中止すること。 ===============
ミャンマーデモ4

抗議行動には多くの民族が集まっていた

ミャンマーで拘束されたジャーナリスト北角さんに聞く

 ミャンマー大使館前で取材をしていたジャーナリストの北角裕樹さんにも話を聞いてみた。彼は2021年ミャンマーで取材中、軍に拘束された。 「他のジャーナリストが捕まっている中、自分も可能性を感じて注意はしていたが、(ミャンマーの)家が家宅捜査され、1ケ月収監されて強制退去となった。再びミャンマーに行くことは、公式には刑事訴追が全て取り下げられていると聞いているので、表向きは問題ないのですが、表向きが通用する国ではないので今は行くことができない。可能であればいつかミャンマーでもう一度取材をしたい」(北角さん、以下同) 国軍の目的は? 「ミャンマーでのデモに、軍は無差別に発砲していた。若者を連行し、摘発が行われていた。自分たちに逆らえないように恐怖を叩き込む。逆らえば酷いことになるから黙って従うことを市民の間に浸透させようとしている。永久に軍が政治を仕切りたい、国民を奴隷にしたい。国民はその恐怖と絶望と闘いながら、どうやって将来を切り開いていくか考えている」
次のページ
日本政府は、ミャンマーとの外交を見直してほしい
1
2
3
4
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)、入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)

ある日の入管~外国人収容施設は“生き地獄”~

非人道的な入管の実態をマンガでリポート!


記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ