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軍事クーデターから2年余り。在日ミャンマー人たちが日本政府に望むこと

軍事政権から勲章をもらった麻生太郎氏ら

 日本ミャンマー協会の会長・渡辺秀央氏(元・郵政大臣)と日本財団の笹川陽平会長は、自分は軍政寄りの立場であることを、発言などで明らかにしている。  渡辺氏は日本政府の代理人としてミャンマーを複数回訪問している、と現地で報道されていた。日本の外務省に問い合わせると「渡辺氏は日本政府の代理人ではない」と言う。ならば、ウェブサイトなどでそう表明してほしいと何度も苦言を呈しているが、実行する様子はない。  渡邊、笹川両氏が軍政を応援するなら、暴力の共犯者ではないだろうか?   さらに2月20日、渡邊氏と麻生太郎・前財務相は、ミャンマー国軍から勲章と名誉称号を授与された。両国の友好に貢献したという理由だが、市民を多数殺害している国軍からの勲章を、なぜ受け入れてしまったのか。  日本の政権が代わっても、官房長官が代わっても、外務大臣が何人代わっても、このままではミャンマーは変わらない。日本とミャンマーの関係を、いま一度考え直してほしいとミンスイさんは語る。

いま日本人にできることは……?

「2018年ごろの、ミャンマーが『最後のフロンティア』と呼ばれた時代に戻ってほしい。軍政下になってみんな、あの時のことを忘れてしまった。ミャンマーに平和が戻ったとしても、きっとすぐには豊かな国にはならないので、自分たちがしてきた経験を若者にバトンタッチしながら、自分は今まで通り、国内からではなく日本に残りミャンマーを外側から支えていたい。そして日本に残るミャンマー人もいるだろうから支えていきたい」(ミンスイさん)  ミャンマーと仲の良い日本は、今後も国軍と仲良くし、金銭面などの支援を続けていくのだろうか。正しくない政治をやめるように忠告することもまた外交ではないのだろうか。今後も日本の行動が試されている。  ミンスイさんをはじめ民主主義と平和を望むミャンマー人たちの想いが叶うことを願ってやまない。 <取材・文・撮影/織田朝日>
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)、入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)

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