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“綾瀬はるか主演作”の人気漫画家が明かす、地元で歩む“音声配信者”としてのキャリア

「西園寺さんは家事をしない」誕生のきっかけ

西園寺さんは家事をしない

ひうらさとる『西園寺さんは家事をしない』(BELOVE KC)

――現在連載中の「西園寺さんは家事をしない」も、「ホタルノヒカリ」のような、身近なきっかけから生まれたんですか? ひうら:「西園寺さんは家事をしない」は、編集さんから「家事のTIPsみたいな漫画をやりませんか?」と企画を持ち込まれました。実際に、家事アプリの会社さんに取材をしに行って、そこで働いている30代の方に話を聞いているうちに、西園寺さんというキャラクターが出来上がりました。 ――長年キャリアを積まれてきたひうらさんですが、現在の漫画業界に変化を感じることはありますか? ひうら:今、私の娘が13歳なのですが「pixiv(ピクシブ)」や「TikTok」からショート動画の広告を見て、漫画アプリに飛ぶ、という動線で漫画の世界に入るんですね。私の娘はまだ紙の漫画なども読むのですが、その様子を見てると、「紙」媒体での漫画が入る隙が少なくなっているのを感じます。  どこの雑誌に掲載されているか、というのも意識されなくなっている気がしますね。紙じゃなくなることで、漫画が終わるとは思わないけど、やはり今の漫画の世界への入り口はスマホになっていると感じています。例えば、TikTokで見てとか、広告で見て最初は無料とかじゃないと、他に漫画という世界への入り口はないと思ってしまっていますね。

音声プラットフォームは「気軽でいいな」

西園寺さんは家事をしない

「西園寺さんは家事をしない」©ひうらさとる

――ひうらさん自身 その変化に抵抗はありますか? ひうら:いえ、広告の施策(1話目が無料など)のお声がけがあった際にも、積極的に乗るようにしてます。とりあえず、作品と出会ってもらうということが大事だなと思いますね。入り口が変わったとはいえ、実際に現状売れてるものを見ると、やはり昔と変わらず、面白いものが売れているので、そこまで大きな変化とは感じていません。
西園寺さんは家事をしない

「西園寺さんは家事をしない」©ひうらさとる

――漫画は「イラストと文章」での発信ですが、最近は音声プラットフォーム「Voicy」で発信しています。「声」で発信するきっかけはなんだったのでしょうか? ひうら:インスタライブをやっていた時期があって、その時に文章にすると棘が出てしまうような発信も、「声」で伝えると誤解されないで伝わるんだなと感じたんです。その後、Voicyを紹介されて、インスタと違って、映像もないので、気軽に「声」だけの発信ができていいなと思ったのがキッカケで、パーソナリティに応募しました。
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音声配信をはじめてキャラづくりに影響も
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