スポーツ

森保監督の続投は正解だったのか。継続路線に見る「説得力のある主張」

ウルグアイとコロンビアは「これ以上ない相手」

 相手が劣るアジア予選では、もちろん日本のボール保持率が高くなる試合展開になる。加えて、本大会出場国が増枠する次大会では、同等あるいは劣るレベルの相手と対戦する試合が増える。4年前のアジア予選でも、ゴール前に人数を割いて守備を固めてくる相手に苦戦した。その予選が今年から始まることを考慮すると、ポゼッションサッカーの質を高めることは急務になる。  また、森保監督も言及したように、後方に引いてブロックを固める粘り強い守備はカタール大会でも成果を出した。そのことを踏まえても、まずはポゼッションサッカーの向上を目指すべきである。  今回対戦するウルグアイやコロンビアは、どちらかと言えばカウンターを得意とする。同地区には世界最高レベルでポゼッションサッカーを展開できるブラジルが君臨しており、それを相手に勝つためにカウンター攻撃を磨いてきた過去が両国にはある。もちろん、個々のクオリティも高い。  そのことからも日本代表が展開するポゼッションサッカーの質を測るには、「これ以上ない相手」になる。

久保の欠場で高まる三笘への期待

 今回の日本代表ではカタール大会で招集されなかった新戦力の活躍も期待されるが、やはりカタール大会以後に目覚ましい活躍を見せている選手が注目される。スペインで好調ぶりを見せる久保建英(レアル・ソシエダ)はコロナの検査で陰性が確認できず、残念ながらウルグアイ戦には出場できないだろう。そのこともあり、イングランドで決定機を演出し続けている三笘薫(ブライトン)へ期待が集まる。  戦術の使い分けを目指して、ポゼッションサッカーの向上が急務なわけだが、それを測るうえで三笘のポジションがひとつのキーポイントになる。ドリブルで切り崩すことを得意とする三笘には、ある程度スペースが必要になる。ワールドカップのときはチームが全体として引いていたこともあるが、三笘自身のポジションも後ろめにして前方へ広大なスペースをつくる戦術だった。  しかし、スペースを消し、引いて守る相手にはそうはいかない。
次のページ
三笘を最大限生かすには
1
2
3
4
5
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
記事一覧へ
おすすめ記事