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被災時に「EDのリスク」が激増する理由。猛暑の季節は要注意

台風シーズンが到来する。近年、豪雨被害が目立つように、日本の自然災害の発生件数は上昇傾向にある。災害時、女性は「弱者」といわれるが、中高年男性には意外なリスクが潜んでいた。地震、台風、洪水……想定外のリスクを回避する術を伝授! 今回は被災時に発症するという、慢性ED(勃起不全)について解説する。

イラン・イラク地震では、被災した男性の約半数がEDに

災害は心身にさまざまな悪影響をもたらすが、男性機能にもダメージを及ぼすことはあまり知られていない。
中年男の[災害七大リスク]研究

乙供太郎氏

銀座銀クリニック院長の乙供太郎氏は、世界の最新研究を交えながらこう紹介する。 「5年前のイラン・イラク地震では、発生1年後の現地調査で、被災した男性の44.9%と実に約半数がEDになっていたとの論文もあります。この論文は不衛生なトイレがEDの重症度に影響した可能性を指摘しています」

猛暑の季節は要注意!慢性的なEDになる恐れも

猛暑の季節には、被災後に慣れない環境や作業で熱中症や脱水症のリスクがあるが、これもEDを誘発する可能性があるという。 「勃起は、動脈から流れ込んだ血液がペニスの海綿体に充満することで起きます。血液の9割は水分なので、血管内脱水を起こすと体内の血液量が不足し、勃起できなくなる。さらに、避難所などの慣れないトイレを嫌って水分摂取を我慢していると、水分を失う前の体液量まで回復できなくなる自発的脱水症を引き起こす。ストレスによる心因性EDの多くは一時的ですが、こうした場合、慢性的なEDに繋がる恐れもあります」
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災害時のED発症を防ぐには
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