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球界の異端児トレバー・バウアーが自軍に激怒。DeNAは優勝争いに参加できるか

ピカチュウのキャップを被る姿が話題に

1998年の遺伝子のバウアー選手

ピカチュウヘルメットを被り打席に向かうバウアー。打席でも気合が漲る

 そんなバウアーはおちゃめな素顔をYouTubeで見せている。  来日間もない頃、ピカチュウの大ファンを公言する彼は、横浜にあるポケモンセンターでご機嫌だった。そのバウアーがピカチュウのキャップを被り、紅潮させた顔でシャウトする姿は、たちまちネットで拡散、ヤフトピにも上がるなど、世間をざわつかせた。  交流戦の優勝直後に4連敗したベイスターズが、守備の乱れから2死満塁のピンチを招いたあの場面。  バウアーが投じた渾身の速球は、捕手の構えたミットとは異なる、いわゆる“逆球”だったが、高橋周平の放ったピッチャー返しを捕球すると、一塁手のソトを制し鬼気迫る表情で一塁ベースに全力疾走、自ら3アウト目をもぎ取った。そのプレーは今季のベイスターズを象徴するひとつになるだろう。

バウアーはチームで希少な「優勝を知る男」

 バウアーが見せた全身全霊のプレーでチームは奮起、同点に追いついた。球場で取材していた私には、チームを覚醒させる“喝”に映った。サイ・ヤング賞を獲得した’20年のバウアーが、弱小シンシナティ・レッズを7年ぶりのプレーオフへと導いたように。  アメリカで「ルーザー」とも評されたバウアーは、現在のチームには数少ない「優勝を知る男」だ。  経験の浅い選手の多いベイスターズを優勝争いに絡ませることができれば、その時、ベル監督が評した「ウィナー」バウアーが、横浜でも証明されることになる。 撮影/小島克典 写真/時事通信社 産経新聞社
1973年、神奈川県生まれ。日大芸術学部卒業後の1997年、横浜ベイスターズに入社、通訳・広報を担当。'02年・新庄剛志の通訳としてMLBサンフランシスコ・ジャイアンツ、'03年ニューヨーク・メッツと契約。その後は通訳、ライター、実業家と幅広く活動。WBCは4大会連続通訳を担当。今回のWBCもメディア通訳を担当した。著書に『大谷翔平 二刀流』(扶桑社)ほか
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