1000万円超のポケモンカードも。“4か月で1億円使った”トレカ店経営者が語る「高額転売の闇」
人気ゲーム・ポケットモンスターから派生した「ポケモンカード(ポケカ)」。定価数百円で販売され、カードバトルやコレクションを楽しむための商品だ。だが、昨今では1枚が数千万円を超えるものも出現し、投資商品のような認識で購入されている。
@yappu29)も状況を懸念する一人だ。最初はこどもとの会話を増やすためにポケカを購入し、気づいたら4か月で1億円超を使っていたという彼は、現在トレーディングカードショップ「サポートチャンス大阪日本橋本店」をプロデュースしている。ポケカの現状をどう見つめているのか現地にて詳しく話を聞いた。
ガッチリとした体格によく似合う覆面マスクという出で立ちのポケギャン氏。マスクは、ポケカをデザインする人気イラストレーター氏が描いたキャラクター「ロイヤルマスク」をイメージして作成したもので、それ自体も高額な価格で取引されているという。
取材について話をもらったとき、まず気になったのが、ポケギャン氏の検索したときに表示される関連ワード「反社(反社会的勢力)」だった。
「僕も『ポケギャン』と検索をかけると、反社と表示され、驚いたことがあります。ポケカを販売する人のなかにはレアなカードや強いカードが欲しいという購入者の心理につけ込み、ニセモノを販売したりポケカの価格を吊り上げようとしたりしている人たちがいます。そういった人たちや組織のやっていることは、反社の人たちがやっていることと変わらない。そういう行為を批判して『反社のよう』だとTwitterで批判したことがあるので、それが原因ではないでしょうか。もちろん、僕は反社ではありません」
もともとは飲食や太陽光発電の会社などを経営し、ポケカの売買とは「まったく畑違いの業界にいた」と話す。店をプロデュースするキッカケとなったのは、自身の息子がポケカに興味を持っていたこと、そして自宅に泥棒が入ったことだった。
「自宅には大手のセキュリティシステムも導入していましたが、昨年2022年の昼間に泥棒が入ったのです。家に泥棒が入るまでは毎日のように仕事関係で飲み歩いていたのですが、奥さんや子供だけを家に置いて家を空けることが恐怖に。すると自然に息子と過ごす時間も増え、僕自身もポケカに興味を持つようになりました。そしてカードゲームの面白さを知り、新事業の立ち上げを視野にポケカを購入するなどリサーチを開始。だんだんと、ポケカにまつわる闇をリアル体感することになりました」
ポケカ販売元のポケモンと、フリマアプリ「メルカリ」が2023年6月に、転売ヤー対策のため包括連携協定を締結。現在の転売価格は下落傾向にあるが、いまだにそうと思しき出品は相次いでおり、解決には程遠い。
いくつもの会社を経営する傍ら、YouTuberとしてポケカについて数多くの発信も行うポケギャン氏(38歳・
ガッチリとした体格に覆面…何者か?
高額転売を批判しつつ業界に身を置く
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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