更新日:2023年08月20日 17:52
お金

150万円で買える“軽井沢の別荘”のお得度。年間20万円のコストも「高くない」といえるワケ

安物買いの銭失いとは

山頂のため夜は周りが真っ暗

 私が「安物買いの銭失い」だと思うのは、『本当は50万円の腕時計が欲しいのに、ケチって5万円程度の腕時計を買う』といった行為だと思います。5万円といった価格帯の腕時計の多くは、強い個性がない一方、50万円ぐらいとなると“個性”があるため、値上がりする可能性があります。つまり、「買った値段―売却額」というように、実質消費額で考えると、5万円の腕時計よりも50万円の腕時計のほうが「お得」であるといえるのです。 「安物買いの銭失い」というのは、漠然とした理由、つまり「なんとなく安いから」というように「考えないで買う」行為だと思います。 その一方で、賢い消費とは、きちんと調べて考えて買うこと。つまり、150万円の別荘には、「良い要素」があるから、「安物買いの銭失い」ではないといえるのです。

150万円の別荘の実力

 さて、友人Mが購入した150万円の別荘はどういったモノかというと、昭和40年代に建てられた、山岳部に存在する比較的小さな物件であります。古い建物ながら、売り主は、毎シーズン毎、積極的に使っており、建物は「きちんとした状態」。別荘の場合、使われてきたか否かがとても重要なのですが、この物件は“特に使われてきた”ほうなので、状態が良いほうだといえました。  立地は、傾斜地で、なおかつ山頂付近というように、軽井沢の土地価格からすると“かなり安価”なほう。とはいえ、「長野県北佐久郡軽井沢町」の中にあり、「住所が軽井沢町でないのに軽井沢を名乗る地域」というわけではないのです。  ただ、山頂付近であるために、別荘地の入り口から建物まではクルマで10分近くかかるといった具合。道もくねくねしており、土地勘がない人には「抵抗感が高い」立地だといえます。しかし、私の友人Mは、その立地が「外界と遮断されているかのよう」と気に入り、見に行ったときから積極的に検討し始めました。実は私は、その場所に土地勘があり、Mと出会う前から現地にも行ったことがあるほど。冬の様子も知っているため、友人Mに、デメリットも伝えたのですが、Mはそれを含めて気に入ったのです。  この150万円の物件の最もなデメリットは、山頂付近という立地だったため、そこがクリアならば、私は買っても後悔しないだろうと思った次第です。  ただ、この物件にはもう1つ大きなデメリットが存在。それが、いわゆる「レッド・イエロー」の「レッド」に該当する点であります。この「レッド・イエロー」というのは、国が制定したハザードマップに由来し、土砂災害の危険区域に該当する地域であります。「レッド」は特に危険とされているため、制定された後、それに該当する土地の価値は激減。また、“価値がない”とされるため、購入時に銀行からの融資も降りないのが半ば常識であるらしいのです。  そのため、買うなら現金一括払いとするしかないわけですが、Mはその点もクリア。彼の感覚としては、毎年15万円ずつ消費するとして10年使えば、たとえ0円になったとしても満足というものでした。
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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