友人Mが150万円で購入した別荘は、安価な物件だけあって固定資産税は年2万円程度。自動車税よりも遥かに安価であります。そのかわり、150万円の物件は民間業者が開発した場所にあるため、水道や道路維持費含めた管理費が発生。年20万円ほど、管理費に費やす必要があります。 　よって、150万円の別荘は、維持費と税金で年25万円ほどがかかるということになります。また、Mが考えたように「売るときは0円で、10年利用する」という前提では、別荘本体の料金が年15万円といえるため、それを合わせると、年40万円ほどの消費をする前提となるでしょう。 　軽井沢のそれなりのホテルに泊まる場合、年40万円という予算では、せいぜい10泊（繁忙期・閑散期の平均料金で計算）となるため、Mのように長期滞在して仕事するという前提では、買ったほうが遥かにお得となります。 　今回、友人Mは「軽井沢でリモートワークする」という目的で別荘を購入したわけですが、そういった前提と150万円の物件との相性が良かったといえます。150万円の物件自体は、「ボロボロで即補修を要する」というわけではなく、単に「需要がないから安い」というだけ。つまり、かつて私が買った「38万円のセルシオ」のようなモノだといえます。 　リモートワークのように長期滞在目的でない場合、ホテルに泊ったほうが安価ということもあるでしょうが、Mのように購入意図が明白な場合は、「安くてお得」となるわけです。 　ですから、何事も考えて買うという前提に立てば、「買って⇒楽しんで⇒お得」という事が可能。安いからといって「安物買いの銭失い」と決めつけるのは、貴重なチャンスを逃しかねないといえます。1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』（イカロス出版）と『もう新品は買うな！』がある