——96年の開幕戦、開幕投手を務めます。前年に2桁勝利をしている伊良部秀輝、ヒルマン、小宮山悟の3人を抑えて選ばれた園川さんに対して、対戦チームだったダイエーの王（貞治）監督は怒って「開幕投手には格ってもんがあるだろう」と発言しています。あの開幕投手指名は奇策ではありませんでしたか？ 園川：当時言えないことも含め、いろんなチーム事情が絡み合って決まりました。結果的に僕が投げるのが一番良かったんだと思っていますよ。 ——しかし、それだけ批判を浴びながらの開幕戦での先発。どんな気持ちで投げましたか？ 園川：風は強いし雨も降ってくるしで、神経をすり減らしながら投げなくてはいけない状況だったので、批判どうこうは考える余裕がなかったですね。 ——引退後は、千葉ロッテのコーチに就任されています。自分の体で表現してきたものを、コーチとして「言葉」で選手に伝えなくてはいけません。難しさはありましたか？ 園川：ありましたね。なので、自分が現役時代に見てきた資料を使ったり映像を見せたり、言葉だけでなく色々な方法で伝えるように工夫しました。そして、動いてもらうには本人に納得してもらわないといけないので、数字をしっかり提示することは心がけました。 ——コーチとして嬉しかった出来事はありますか？ 園川：2005年に、交流戦で優勝してリーグ戦は2位でしたがプレーオフで勝ってリーグ優勝して、そのまま日本シリーズも優勝。そして、アジアシリーズでも優勝できたので、最高の年でしたね。