更新日:2023年12月15日 15:33
仕事

ブラック職場の“バカ社訓”に物議。「ビッグモーター」だけじゃない、パワハラ全開でヤバい会社の実態

基本給が激安、上乗せの能力給がわずか3万円余り

バカ社訓でわかる[ブラック職場の重症度]

樋口さんが退職するきっかけとなった給与明細。KPI(重要業績評価指標)は「SS」と高評価にもかかわらず、能力給は3万6000円にとどまった

社訓は洗脳だけでなく、唱和の仕方が査定に大きく影響したという。 「A社はブラック企業によくあるインセンティブは高いが、基本給が激安な給与体系で、業界では『稼ぎたいならビッグモーター』と言われていた。それでも頑張って営業粗利を月1000万~1500万円稼いだんですが、上乗せの能力給がわずか3万円余り。粗利200万円の同僚の給料のほうが高かったんです。 理由を上司に聞くと『イズム(A社の経営理念)が体現できていないから』と言う。ビッグモーターと同じで、数字を挙げても、会社への忠誠度が足りないと給料は上がらない。さすがにキレて辞めました」

離婚も仕事に打ち込んだ証し!?

晴れてホワイト企業に転職した今、樋口さんは古巣のA社をこう冷静に評した。 「社訓や社内の空気によって、上司は絶対的な存在になっていく。創業者が3度離婚しているA社には、『離婚して一人前』という妙な考えがありました。家庭を犠牲にして仕事に打ち込んだ証しなんです。だから、職場不倫が多く、妊娠するケースも珍しくない。ある女性社員が突然成績が上がって不思議に思っていたら、不倫相手の上司が商談を手伝っていた(笑)」 美辞麗句が並ぶ社訓があっても、企業体質は真っ黒だ。 ★社訓のブラック予兆!★ 過剰に同じフレーズを繰り返す=洗脳 【樋口雄一さん(仮名)】 私大卒業後、新卒でA社に入社するも2年前に退職。社訓によるマインドコントロールが解けた現在は、転職したホワイト企業で営業職として働く
バカ社訓でわかる[ブラック職場の重症度]

樋口雄一さん(仮名)

取材・文/週刊SPA!編集部 取材協力/坂倉昇平(総合サポートユニオン) 古川琢也 イラスト/サダ ※9月5日発売の週刊SPA!特集バカ社訓でわかる[ブラック職場の重症度]より
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週刊SPA!9/12号(9/5発売)

表紙の人/ 田中美久

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