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年収1000万円でも家計はギリギリで火の車?「車は国産、月2回の外食が精一杯」――大反響・苦しい生活トップ3

ケース③ ライフスタイルによって裕福とも貧乏とも感じる

 埼玉県在住の大手保険会社勤務・川村智樹さん(仮名・40代)は、年収1000万について「ライフスタイルによって裕福とも貧乏とも感じる」と話す。 「30代前半未婚、年収が700万円くらいの時がいちばん裕福だったように感じます。結婚して年収が1000万になっても、自分で使えるお金は目減りするばかりで、遊びに使える金額はほぼゼロ。結婚前にお金を使うことに慣れているから、そう感じちゃうんです。  最初から倹約をしていれば、生活に必要なお金は十分あるから、不満は感じません。これを余裕と感じるのか、生活費以外のところを余裕とみなすか、その考え方の違いだと思いますよ」(川村さん、以下同)  川村さんは独身時代、都内のタワーマンション(賃貸)に暮らし、高級外車・アウディのSUV(中古で500万円)を乗り回していた。だが、結婚後は実家近く、駅から徒歩20分の場所にマイホームを持ち、妻の手作り弁当をぶら下げ、自転車と路線バスを使って会社に通勤する日々を送っている。

年収に合わせて生活レベルをあげる必要はない

「年収によって見えてくる世界が違うというか、年収が上がれば良い生活をしなければならないという強迫観念みたいなものがあるんじゃないでしょうか。これくらいの年収があるから、これを食べなきゃ、あそこに遊びに行かなきゃ、みたいな。ふと気がついた時、自分のまわりにいたのは同じくらいの年収の人ばかりでしたが、それをやめてからは、年収への不安が無くなりました」  年収によって、生活レベルも社会的地位も変わるはず、そんな考え方が蔓延っているからこそ、自分や他人の年収が気になってしまう。年収に一喜一憂するばかりでなく、一度立ち止まり、他人と比較せず、自分なりの「理想の暮らし」を考えてみることが重要なのかもしれない。 <取材・文/山口準> ※初公開日2021年4月5日 記事は取材時の状況
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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