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ラーメン一風堂、ロンドンで“一杯2300円”も大成長のワケ。麺は伸ばさず、売上伸ばす

ロンドンで一杯2,300円でも大人気

一風堂

NYで出されている一風堂ラーメン「Akamaru Hakata Classic」(16ドル、約2350円)。NYには3つ支店があり、盛況だ

 また一風堂は海外においても非常に人気です。2023年8月現在で海外に一風堂系列の店舗は135店舗を展開しています。国内の系列店舗数は140店舗なので半数が海外が占める計算です。  海外事業も売上高、営業利益ともに好調です。  特に注目すべきは営業利益で、月によっては15パーセント弱と非常に高い数値を叩き出します。ただでさえ高い一風堂の営業利益率の中でも海外事業にはさらに突出した数値を残すことも珍しくありません。  海外の高い営業利益率を支える要因のひとつに価格設定があります。日本以上に物価高騰が進んでいる海外においては日本よりもさらに大胆な値上げに踏み切っています。  一風堂の看板メニューである白丸元味は日本国内では850円ですが、例えばイギリスのロンドンでは2300円程度と2.5倍以上の料金となっています。

日本のラーメンを輸出しているだけではない

 国内の感覚ではラーメンに2000円以上というのはあまり考えられないでしょう。しかし、海外においてはこの価格設定でも十分に勝負できるのです。  2000円以上の価格設定には、先述の物価高騰を筆頭とした国内と国外での条件面の違いが一つの要因としてもちろんあげられます。  その上で一風堂が海外において日本のラーメンブランドとしての地位を確立しているというのも非常に重要な点です。  一風堂は各地域の需要も研究し、植物性の原材料のみを使用したメニューを設けるなど現地で受け入れられるための体制もしっかりと整えています。一風堂の動物性原材料を使用しないラーメンは今年5月に開催されたG7広島サミットで海外のメディア関係者に提供されるなど、信頼と実績を確実に高めています。  そして、海外での高い利益率と成功の土台にあるのも仕組みと人です。  国内で成功ノウハウを蓄積させたDX化は海を越えて海外店舗でも導入されています。人の面で見ると、一風堂では海外研修にも力を入れています。仕組みと人、この2点への投資が国内同様の高いクオリティを海外でも維持する上での原動力となっています。
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店舗数、利益率、海外展開…麺以外はすべて伸びている
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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