お金

“せどり”で稼いだ33歳シングルマザーの葛藤。OEMで「お母さんはこれを売っているんだよ」と言えるまで

離婚してシングルマザーに「きちんと生計を立てたい」

離婚届に記入する女性 さらに、夫の浮気が発覚。お子さんが3人いたためか、夫の言い分は「もっと自分にも構ってほしかった」というものでした。Fさん自身はお子さんと自分の事業で手一杯。結局、離婚を決意します。シングルマザーになったことで、「きちんと生計を立てたい」と考えるように。その頃、知人から紹介されて私のスクールを知ったそうです。 「せどりよりもOEMの方が、人に喜んでもらえる仕事だと思いました。500万円の融資を受けられていたのですが、船田さんから『リスクを最小限に抑えるために最初は小さく始めよう』と言われたことも印象的でした」  最低30万円あれば自社ブランドOEMをスタートできますが、実際には30万円ギリギリで始める方はほとんどおらず、50万円~100万円という方が大半です。  むしろFさんのように500万円もの金額を用意できている方は稀で、恵まれていますが、お金はビジネスをスケール(拡大)する時に使ったほうが効果的なので、「最初は慎重に進めるように」とアドバイスしました。

自社ブランドOEMを開始、3か月目から利益10万円

ルームウェア

裾のシルエットにこだわったというFさんのルームウェア

 Fさんが市場をリサーチしたうえで最初に目を付けたのは女性用のパスケースとリールストラップでした。しかしサンプルの品質が良くなかったことから、最終的にはルームウェアに決めました。 「本当は経験を活かしてお花関係でやってみたい気持ちもあったのですが、リサーチしても市場の規模が小さく、中国製のものはクオリティが微妙……。サイズ的にも輸送費がかかるので諦めました。ルームウェアは市場調査を行って、売れそうなデザインやカラーなど、ニーズを絞っていきました」  生徒さん全員に市場調査の結果を資料として提出してもらっていますが、Fさんの目は確かでした。「ラクな着心地を求めつつも、女性らしい可愛さや美しいシルエットは妥協したくない」と考える女性が多いと判断し、オリジナル商品にチャレンジ。  じつは、最初からすべてオリジナルで作る生徒さんはほとんどいません。まずは中国から既製品を仕入れて、それを徐々に改良していくものです。 「ルームウェアのサンプルを取り寄せた際に、どの工場のモノもズボンの裾がまっすぐなものか、すぼまっているものだったんです。ただ、市場調査では『裾は広がっているものが良い』という声がたくさん出ていて。そこで工場にお願いして、素材も肌触りが良くて洗濯しても縮みにくいものに変えてもらいました」  ここまで突き詰めてやれるのはFさんの強みです。当然その努力は結果に表れました。発売した初月にはいきなり270セットも売れ、翌月、翌々月には約600セットが売れています。利益は3か月目から出ていますが、以降は平均して月10万円ほど手残りがあります
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胸を張って「お母さんはこれを売っているんだよ」と言えるように
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物販コンサルタント。自社ブランドOEMスクール「物販NAVI」運営。かつては大手物流企業に勤めるも給料が少なかったことから新聞配達や深夜の警備員などでなんとか生活。ある雑誌で「せどりで稼ぐ方法」の記事を見つけたことをきっかけに、2011年6月より国内転売をスタート。2014年9月に脱サラ、法人設立後は自社ブランドOEMで月収500万円を達成。現在では物販スクールの講師としてコンサルも行いつつ、売り上げは月商2000万~2500万円をキープしている。YouTubeチャンネル(@navi913)でも情報発信中。

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