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街中の“あの人は何者?”に直撃、ストリートスナップ動画カメラマンが明かす本音「人を外見で判断する偏見をなくしていきたい」

ノリが良すぎてヤラセ(仕込み)に見えてしまう

萩原裕介

「THE OUTSIDER」出身の格闘家で現在は「BreakingDown」で注目を集めている実業家の萩原裕介さん<九州男さん提供写真>

「活動を始めた頃は、『怒られるかな』と思いながら恐る恐る声をかけていました。でも、大阪はすぐにOKしてくださる方ばかりですね。他県からの観光客だと、恥ずかしがる方が多いです。僕はリアルを撮りたいので、9割はその場で見つけて突撃しています。依頼を受けて撮っているのは1割だけです。大阪の方はノリが良くて慣れているからか、突撃に見えない反応をしてくれますね。サービス精神が旺盛で、むこうから『こうしたほうがいい?』と提案してくれます。前に別のストリートフォトグラファーと話したとき、『事前にキャスティングしている』と言われてびっくりしました」  九州男さんによると、エリアによって人々の反応がまったく異なるらしい。筆者は関西在住だが、大阪人はフレンドリーにコミュニケーションを取ってくれると感じている。突然カメラを回されても柔軟に対応してくれる人が、とにかく多いのだ。  そういった土地柄もあってか、大阪、とくにアメリカ村の雰囲気は独特なんだそう。

アメリカ村にしかない空気感

ストリートスナップ

<九州男さん提供写真>

「アメ村のカルチャーは独自性がありますね。都内やいろんな地方でも撮影させてもらっていますが、アメ村を超える場所はないと感じています。HIPHOP、タトゥー、ヴィンテージの古着……たくさんのものが混ざりあって、流行とはまた違う独自の文化を突き進んでいるんです」  昔からファッションの聖地と言われる原宿と比べても、アメ村は独自の方向に進化し続けている場所だという。 「自分が好きなものを、ちゃんと貫いている方が多いです。アメ村は、そういう人たちが昔から集まる場所。各々のカルチャーが確立されていて、そこに否定はない。すごく面白い場所だし、だからこそ集まる人たちもカッコいいと感じるんですよね」  カメラを握りながら意識しているのは、「どうすれば目の前の人をカッコよく撮れるか」だ。 「5分くらいで撮らないといけないので、限られた時間の中で緊張感を持って臨んでいます。服装だけでなく、表情や背景、そして色。人柄が伝わるように、その方の雰囲気に合ったものを即座に選ばないといけない。とくに背景選びは重要ですね」  夜に撮影することが多いという九州男さん。アメリカ村の夜は四方八方に光源があるため、「ライティングの計算がいちばん難しい」と語る。  とはいえ、使用する機材はスマホと一眼レフだけ。ストロボは使わず、その場で街中のネオンサインや車のヘッドライトなど、光の反射や入り込む角度を見極めて撮影しているそうだ。
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「タトゥーへの偏見をなくしていきたい」
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福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0

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