“子猫虐待事件”はなぜ起きる?子猫を「絶対に譲渡してはいけない人」に共通する特徴
2023年5月、沖縄県うるま市に住む20代男性が預かった子猫2匹を虐待したとして、器物損害や動物愛護法違反の罪で書類送検された。その後、男性は、罰金70万円の略式命令を受けたという。
この男性の卑劣な行動に対し、ネット上には非難の声が殺到。加害者男性に対する非難はもちろん、今回の事件で犬猫を預けた個人でボランティア活動を行っている女性に対しても、さまざまな意見が飛び交った。犬猫のボランティア活動を行う人は、もちろん犬猫の幸せを願って譲渡を行っているわけだが、こういった虐待事件が稀に発生してしまうことは、動物愛護活動を行う上での課題といえるだろう。
なぜこういった事件は起こってしまうのだろうか。「NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」の理事長を務める佐々木博文氏に話を伺った。
個人で犬猫の保護を行い、新しく里親になってくれる人を探す活動を行う者は多くいる。佐々木氏は「もちろん、個人で活動を行うこと自体がダメということはありません」と前置きしつつ、知識のない人が犬猫の譲渡活動を行うことの危険性について解説した。
「動物愛護団体は認可制ではないので、『今日から動物愛護団体をやろう』って言えば、知識や経験がなくても活動することができます。団体だけでなく、もちろん個人で活動を行うことも可能です。ただ、犬猫を譲渡した経験がない人が譲渡先の相手を選んでしまうと、こういった虐待事件などが起こってしまう危険性があります」
犬や猫の命を守るためにも、こういった活動を行う上で知識や経験が必要であることは間違いない。以前はペットショップも、誰の許可もなく自由に営業することができていたそうだ。
「20年前程はペットショップも自由に営業することができていました。しかし、ひどい繁殖のさせ方をしているペットショップが増えしまったこともあり、法律が厳しくなって認可制になった、という背景があります。だからこそ、譲渡された犬猫が虐待されてしまったニュースを見ると、『動物愛護団体も認可制にするべき時がきている』と思ってしまいますね」
沖縄県で起きた虐待事件は、猫の保護活動をしている個人ボランティアが、地域の情報サイト「ジモティー」を通じて男性に出会ったとのこと。善意でボランティア活動をしていた女性は、さぞ傷ついたことだろう。ただ、それも知識と経験があれば、防ぐことができたかもしれない。
「もちろん虐待するヤツが一番悪いのは間違いありません。でも、譲渡する側にも問題があると思います。少なくとも『どういう人が虐待をしてしまう傾向にあるのか』というデータは持っておかないといけません。話しただけでは、その人の悪い部分がわからないこともありますが、過去に起こった事件のデータがわかっていれば、警戒すべき人の特徴はわかります。譲渡する犬や猫に幸せになってもらうためには、知識と経験がないとダメなのです」
犬猫の譲渡は「誰でもできてしまう」ことが問題
譲渡する側にも問題がある
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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