更新日:2023年11月15日 17:33
お金

「少額でもとにかく早く始めたほうがいい」40代が“初めての資産運用”で失敗しない方法

NISAよりも圧倒的にiDeCoがオススメの理由

AdobeStock_244857355 ②の投資先の選択も重要なポイント。投資先は、「話題のNISA(少額投資非課税制度)よりもiDeCo(個人型確定拠出年金)のほうが圧倒的にオススメ」だという。 「NISAとiDeCoはよく対比されますが、長期投資を行う前提ならiDeCoのほうが断然お得です。というのも、iDeCoには払っている金額によって所得税と住民税が安くなるメリットがある。 年収500万円の会社員だと、最大で月2万3000円、年間で27万6000円をiDeCoに投資できます。通常は500万円に対する所得税と住民税を払わないといけませんが、iDeCoに投資していれば、27万6000円を引いた472万4000円の所得税、住民税になります。 そうすると、年間で5万5000円も税金が安くなる。これを25年間続けると、137万5000円(5万5000円×25年間)もお得です。iDeCoには“60歳まで引き出しできない”というデメリットがありますが、そもそも長期投資するのが前提なのであてにしなければいい。困ったときに使える資金は別に用意しておきましょう」  また、会社員ならDCのほうがいいケースも。DCとは、企業が掛金を毎月積み立てし、従業員が自ら年金資産の運用を行う制度のこと。 「DCにはいろいろな種類があってややこしいのですが、自己負担でできるスタイルだと、所得税と住民税に加えて、社会保険料も安くなります。また、iDeCoは年間3300円の口座維持手数料がかかりますが、DCは会社が負担してくれるので、長い目で見ると、DCのほうが効果は高くなる可能性があります」

保険は基本的に掛け捨ての死亡保険のみでOK

 資産の運用を長期的に行ううえで、③の保険の見直しも重要になる。保険に関して、「大前提として日本人は保険に入りすぎているパターンが多い」と鳥海氏は指摘する。 「見直すときは、必要な保険が何かを見極める必要があります。考え方としては、2つの軸で考えるといい。1つ目は発生する確率が高いのか、低いのかの軸。2つ目は発生したときに損害額が高いのか、安いのか軸です。 発生する確率が高く、損害額が高いものに備える必要があると考えるかもしれませんが、該当する保険を運用すると保険会社が潰れてしまうので、そんなものはありません。保険に入るべきは発生する確率は低いけど、発生したときに損害額が高いものになります。 これに該当するのが死亡保険です。例えば、月5000円払って、死んだときに3000万円が入るとしましょう。掛け捨ての場合、長くても30年間とすると、180万円(5000円×12か月×30年間)で支払う金額に対して3000万円もの大金を受け取れます」  3000万円を貯めるのは容易ではないが、医療保険やがん保険は貯金でも比較的対応しやすい。 「健康に自信があるなら医療保険やがん保険に入る必要はありません。子供がいる場合、上記のように死亡保険に加入しておいたほうがいいですが、単身者の場合はこれも必要ない。 葬儀費用を出すために死亡保険を勧められるケースもありますが、口座残高0円で死ぬことはほぼありません。葬儀は貯金で何とかなるので、どうしても不安なら、就業不能保険だけで十分です」
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