更新日:2023年12月13日 17:02
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9000万円分飲んで“消えた”女性客、担当ホストは死ぬまでタダ働き「歌舞伎町から売掛がなくならない」理由

9000万円の売掛をトンだ女の子も

 そうやって担当ホストにハマり、金銭感覚が狂っていく中で、冒頭の「売掛制度」を利用するようになっていく女の子が多い。前半のインタビューで、Rさんも「わざと多額の売掛をして、それを原動力にして生きている。売掛がないと生きていけないと言う女の子もいる」と言っていた。 ――売掛制度とは具体的に、どのようなシステムですか? はっしー:ホストが女の子の飲食代金を立て替えて、次の月の入金日に回収するというシステムです。女の子から提案されることも多くて。業界歴が長い女の子だと「今日カケでいい?」と事前に聞かれることも多いです。あとは、その日に飲みすぎてお金が足りなくなってしまったとか、ホストが「カケでも良いからシャンパンを入れてくれ」とねだって高額なお酒を注文するとか、いろんなケースがあります。 ――どのくらいの額を売掛するんですか? はっしー:本当にバラバラですが、何百万円という単位で売り掛けする女の子も多いですね。僕が間近で見た最高額は9000万円です。ちなみにその女の子は“トンで”、そのホストは永遠にタダ働きさせられていました。もしかしたら今もそこで働いているかもしれません。 ――どうしてそこまでリスクの高い、無理な売掛をさせてしまうのでしょう。 はっしー:感覚がおかしくなってるんです。売掛って本当に簡単で借用書に名前を書くだけ。実際は数百万円や数千万円の話だけど、両者とも数百円を貸し借りするような感覚です。払う時期になってようやくトラブルが目立つのは、ホスト側の教育不足の面もあるかもしれません。

昔はホストがアングラだった

青伝票

Rさんが飲んだ売掛の額を書いた「青伝票」(前回記事参照)

――教育が行き届いていない? はっしー:昔はホストってアングラだったんですよね。だけど最近はSNSやドラマの影響で普通の男の子たちがホストクラブで働きはじめていて正直手がまわっていないんです。本来はホストがそのお客にとって、売掛に無理がないか、払えそうかみたいな部分を慎重に判断しないといけない。  もっと言えば店側もそのホストに売掛の判断を任せても問題がないか把握する必要がありますが、今はそれができていないし、店側も放置している。ホストに見る目がないのに、店側は教育することもなく、無責任に売掛を推奨しているから、トラブルは増えますよね。これは完全に、店が悪いと思います。何かトラブルがあっても捕まるのはホストだけ。店側は野放しで、全てホスト側の責任になります。 ――店側は売掛制度を勧めるんですね。 はっしー:そりゃあ勧めますよね。自分たちには一切リスクがないですから。女の子がトブ可能性があっても、お店からすれば関係ない。もしトンでも、担当ホストから全額回収すれば良いだけですから。
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ホストは「売れたら自由になれる」と洗脳
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