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「あんな奴ら消えてしまえばいい」DV加害者への厳しい声も。“更生支援の難しさ”を女性理事長に聞く

直接手を挙げていなくてもDVになる

――改めてDVの定義を教えてください。 栗原:DVの定義は、“主従関係”です。多くの人はDVを、叩く、殴る、蹴るなどの暴力行為のことだと勘違いしていますが、本来の定義は”主従関係”で、行為ではなく、関係性のことを指します。対等でなければいけない関係性が、加害者側が優位に立っており、被害者側が奴隷化している状態のことを指すわけですね。 ――では、殴られるなど、直接的に手を挙げられていない場合もDVに該当するのですね。 栗原:そうです。叩いたり怒鳴ったりするのは、支配するための道具でしかないんです。例えば、言葉には出さなくても、不機嫌になる、睨みつける、無視をする、舌打ちをするなど、そういう態度で相手を支配する人がいますよね。それもサイレントモラルハラスメントと言って、精神的DVに該当します。他にも充分な生活費を与えない、経済的DVなどもあります。

DV被害者の特徴は?

ステップ

15年以上にわたるDV加害者更生支援を行なってきたステップの栗原理事長

――DVを行う加害者側には、どんな特徴がありますか? 栗原:とにかく、気に入らないことがあると怒ります。彼らの怒りの正体は“悲しみ”で、過去の傷つき体験から来ています。人間には「分かってもらいたい」という承認欲求があります。加害者側は、妻が自分の意見に対して反対意見を出したり、否定的な態度を示すと承認欲求が満たされないことで悲しみを感じるんです。しかし、加害者は、この“悲しみ”をすっ飛ばして、仮面の“怒り”で対応してしまう。だから相手に理解してほしくて、暴力や、暴言が出てくるわけです。男女比は9割が男性ですが、最近は女性の加害者も増えています。 ――被害者側の特徴はありますか? 栗原:女性の被害者で多いのは「男らしい人、引っ張っていってくれる人にすぐ惚れちゃう」みたいなタイプですね。そういう方はもちろん、DVをするような相手にも惹かれてしまうと思います。
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子供が間接的に被害に遭うケースも
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