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「もっと早く知りたかった」DVで妻を失った夫の涙。DV加害者を“治す”方法がある

プログラムを受けて“治る”割合は?

――このプログラムを受けて、どれくらいの割合の方が“治る”のでしょう? 栗原:8割です。アメリカでは、DVをすると罪が重く、被害者が電話をすれば即逮捕。4年間ほど刑務所に入れられ、更生プログラムの強制執行になります。その更生プログラムとして取り入れられているのが、私たちが使っているのと同じ“選択理論”です。  これを学んでいない加害者が65%の確率で再犯するのに比べ、学んだ加害者の再犯率は3%まで低下します。この結果を見た時に、もしも更生プログラムをやるなら、これを取り入れるしかないと思いました。結果、他の団体のDV加害者更生プログラムでの変化率は3%なのに対して、ステップでは変化率80%のところまで持っていくことができました。 ――「治る」というのは具体的にどのような状態でしょうか? 栗原:怒り行動を出さなくなることです。怒鳴らない、叩かない、物を投げない、穏やかになります。

怒らない人になるコツは?

DV

※画像はイメージです

――「怒らない人になる」というのは可能なのでしょうか? 栗原:イラっとする時には、必ずその前に“不快”だという感情があるんです。誰だって、相手が自分の思い通りにならないと、不快になることがありますよね。大事なのは、不快になった時に、プラス思考を取り入れ、いかに早く切り替えるかです。この切り替えが早ければ早いほど、周りからは“怒らない人”に見えます。いつも1秒、2秒で切り替えることができれば、全く怒らない人に見えますよね。周りからは「仏様のようだ」と言われます。ステップでは、この「怒りの初期消化」を身につけるんです。 ――ちなみに、治らない人2割の方は、そのあたりを身につけるのが難しいということでしょうか? 栗原:彼らは頑固な、岩のような硬い自分なりのプライドを持っていて、「絶対に俺の言っていることが正しい」と言った感じで、こちらの言葉を一切聞き入れないんですね。そういう方は指導しても実践ができないので、変わりませんよね。その結果、ほとんどの方が離婚します。
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加害者の改善で夫婦仲が良くなることも
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