「動かないポルシェが450万円に」ビッグモーター事件の意外な影響を中古車買取専門店に聞く
⾦融庁が代理店登録取り消しを発表するなどいまだに尾を引く、中古⾞販売⼤⼿ビッグモーターの保険⾦不正請求問題。12⽉4⽇には、ビッグモーターの⼤⼝取引先であった SOMPOホールディングスの櫻田謙悟会⻑兼CEOがCEO職を退任する⾒通しであることも報じられた。
まずはビッグモーター事件の余波について。今夏から週刊誌やテレビなどで問題が取り上げられるようになったが、影響はあったのだろうか。
「最初はお客様からも『おたくは大丈夫?』と聞かれたりして、ビッグモーターさんの影響で悪いイメージがついて⾶び⽕すると思ったんです。ただ、店前に除草剤を撒いているみたいなニュースが出てからは、あまり⾔われなくなりました。お客様からも『さすがにそこまではしないだろ……』みたいな気遣いがあったのかもしれません(苦笑)」
報道から1週間くらいは出張の実⾞査定の現場に、ビッグモーターの担当者が来ていたという。
「そうすると、他社から『もう帰れよ』『なんでいるんだ』とか罵声を浴びせられていましたね。ビッグモーターさんの現場担当としては、帰ったら上司に怒られるし、引くに引けないからすごく粘っていて、⾒ていてちょっと可哀想でしたね。結論として、たぶん、事件前後でそんなに変わってないと思います。ただ、⼀時期、コロナ禍で中古⾞ブームがあって、新規参⼊者が⼀気に増えたんです。それで業界が飽和状態になったところに、ビッグモーターさんの事件があって、プレイヤーが減るかもしれません」
ウルフエージェントは 2008年に当時20代だった代表(⼤堀直樹代表取締役)が開業。もともと宮崎さんは、中古⾞販売⼤⼿のガリバーにいたという。
「10万円で買った⾞を30万円とか、70万円で再販しているのを⽬の当たりにして驚愕したんです。それだけ利幅が⼤きい⼀⽅で、⾃分の給与は正直満⾜できる⾦額ではなかった。まだ若い社員だったこともあり、⾃分でもできると23歳で転職を決意しました。でも、8か⽉で、もう無理だと普通に退職することにしました。弊社の代表の⼤堀とは再就職先のリサイクルショップで知り合いました」
その余波は国内の中古⾞販売店にも及んでおり、客の不信感により売り上げが⼤幅減した店舗も多いという。そんななか、他社が購⼊しない“いわくつきの⾞”を仕⼊れるなど⼀⾵変わった⼿法で業績を伸ばしているのが東京⼤⽥区の中古⾞買取専⾨店・ウルフエージェントだ。
ビッグモーター事件後、中古買い取り専⾨店の今はどうなっているのか? ウルフエージェントを運営する株式会社RC財務最⾼責任者兼執⾏役員の宮崎源太朗さんに聞いた。
事件の飛び火を懸念していたが…
ビッグモーター担当者の苦悩を目撃
平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ