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「動かないポルシェが450万円に」ビッグモーター事件の意外な影響を中古車買取専門店に聞く

そもそも中古車販売店を開くには

 そもそも中古⾞販売店の開業は「古物商許可の資格」があれば可能だ。中古⾞査定⼠があれば仕事の幅も広がるが必須ではない。「ウルフエージェントは、査定⼠はいますが、整備は提携⼯場に依頼している」と宮崎さんは語る。  また、買取った⾞は、中古⾞検索サイトを使うことはほとんどなく、オークションサイトを通して販売している。 「カーセンサーやグーネットは地域で検索する際に、在庫保有台数順に表⽰されていたので、過去には⼤⽥区で⼀番保有して最上位に掲載しようと、60台前後保有していた時期もあります。ですが、コロナ禍で中古⾞市場の相場が上がったことや維持管理費の⾯でみても、現在ではオークションサイトでほとんどの⾞を売っています。円安で海外輸出も増え、近年では利幅の取りやすい⾞種もだいぶ変わってきたように思います」

ピンクと黒ならどっちの色が人気?

中古車

※写真はイメージです

 具体的にはどういう中古⾞が⼈気なのか。 「もちろん新しくて綺麗な⾞のほうがリセールは⾼いです。ただ⼀番はその⾞種に⼈気があるかどうかだと思います。⼈気があれば⾼いし、⼈気がなければ安い。オプションでも多少変わりますが、それも含めて趣味の世界ですね。同じ⾼級⾞でも、⿊とピンクだったら、やっぱり⿊⾊のほうが好きな⼈が多いので、そのほうが買い取り価格も⾼くなります。あとはいま世界的に新⾞の供給不⾜が続いていて、今頼んでも『1年半納⾞がかかること』はザラ。でも中古だったら100万円⾼いけど明⽇にでも乗れます。そういう部分でより価格差が際⽴つようになってきています」  つまり需要と供給のバランスで決まるという。⼀⽅で、ウルフエージェントが狙っていくのは「他社が購⼊しない、ちょっといわくつきの⾞」だという。 「古くて乗らない、放置して動かなくなった、事故で壊れているといった⾞をメインで扱っています。さすがに死亡事故⾞は扱えませんが、事故現状⾞(事故を起こしたままの状態の⾞)や⾃殺した⾞は扱います。盗難⾞は⾃動⾞登録番号(ナンバー)で⾒分けられますが、⾔い⽅悪いですけど、⾃殺した⾞はキレイに掃除されたり、お客様に内緒にされたりしてしまうとこちらではわからないんです」
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自殺した車、事故車でも買い取るワケ
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平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています

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