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元セクシー女優ライターが「プロダクションに入った理由」を告白。「1人は無理かも…」と思ったワケ

「一人じゃ無理かも」と思ったキッカケ

たかなし亜妖さん

たかなし亜妖は現在、鳥越アズーリFMにて毎月第4日曜16時から放送されている「たかなし亜妖のモザイクストリート」のメインパーソナリティを務めている

 数年後、そんな自分に変化が起きる。  有難いことに日刊SPA!で連載が始まり、月日を追うごとに色々なオファーをいただくようになった。執筆だけに限らずメディア出演など活躍の幅が広がり、以前の売れなかったセクシー女優時代に比べると充実した日々を過ごせている。もちろん私自身のマインドも変わっていることが理由でもあるけど、注目してくれる人たちが増えたのは大きい。  だからこそやる気に満ちて、どんどん前へ進むぞ! と意気込んでいたのだが……。ある程度のところまで進むと良くも悪くも限界が見えてきた。  抽象的な表現だと分かりづらいと思うのでハッキリ言ってしまうと、「セクシー関連」以外の方からはオファーがさっぱり……だったのだ。エロ系のシナリオとか、ラブグッズのPR記事だとか、あとは脱ぎ系の案件などは多かったけれども、同じジャンルの枠を飛び越えられずに苦戦を強いられた。  私がその道を極めたいのであれば、これらの案件は非常に有難いのだけれど、元セクシー女優の肩書きからもう1ステップ上がりたい自分がいる。そうなれば、今置かれている立場に甘え切って安定を狙い続けるのはリスクでしかないし、そもそも意に反しているではないか!  色々頭を悩ませた結果、「そろそろ1人で走り回るのは無理かもしれない」という結論に至る。今まではノリと勢いだけでどうにかやってこれたけど、そろそろ戦略的に進まなければいけない時がやってきたのだ。  プライドを崩し、誰かと手を繋ぐ必要がある。決心した私は自分と二人三脚をしてくれるパートナー探しの旅に出た。

待つくらいなら進め!

 パートナー探しとは要するに、仕事を他に取ってきてくれる人間を見つけること。ライターズバンクに登録することや、フリーで活動するマネージャーをつけることなども考えたが、最終的に「プロダクションに入ること」に決めた。なぜならこの方法が最も可能性に満ちており、執筆だけではなくメディア露出など、私の弱い部分をカバーしてくれるからと思ったからである。  しかし、たかなし亜妖は陰キャで友達もおらず、業界人の知り合いも皆無。身内の紹介というチートが一切使えないため、また走り回るしかない。私はフリーライターになった頃を思い出し、お家芸となる「自らアポ取り/自ら応募」の才(?)を発揮する。  たぶん高確率で応募書類が引っかからないだろうし、仮に話を聞いてもらえたとしても私の意にそぐわないかもしれない……と危惧していた。けれども後日数社から返信があり、どこも柔軟に対応をしてくれたので、いい意味で予想外の展開に。たとえ面接に辿り着けても超絶塩対応をされると覚悟していたので、とても嬉しい気持ちになる。かつて昼職で書類は突破したものの、面接で拷問を喰らった経験があったから。  脱ぎの仕事はもうやりたくないこと、過去の仕事の延長戦となるような案件以外に挑戦したい点を伝えて、ようやく所属プロダクションが決定。応募の際はドキドキしたが、いざ決まってほっと胸を撫で下ろしたとき、フリーライターになり始めた頃の営業周りを思い出す。駆け出し時代もこうして緊張して、仕事が決まって安心するのを繰り返しながら刺激を覚えていたものだ。  近頃、初心に返ることをすっかり忘れていたように思う。プロダクション応募の出来事は「初心忘るべからず」と、自分自身の在り方を再度見直すいいきっかけとなった。
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いよいよ文化人へ
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya

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