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進研ゼミの“会員離れ”が止まらない…「難関校を目指す塾」と明暗が分かれた理由

子供の主体性に合わせる方針が弱みに?

 もともと個別指導型の塾は、学校の授業に追いつけない子供のためのものという位置づけでした。しかし、そのポジションに固執すると、少子化と教育費の二極化の煽りをもろに受けてしまいます。そのため、多くの個別指導型の塾は難関校突破の看板を掲げるようになりました。東京個別指導学院も例外ではありません。  個別指導型の塾という点では、TOMASと同じ形態。明暗が分かれているのは、スタンスの違いが関係していると考えられます。TOMASのホームページには「志望校合格逆算カリキュラムを作成」と書かれています。一方、東京個別指導学院は「担当の先生がお子さまの性格・現状・目標に合わせて伴走」とあります。  これを文字通りに受け取ると、TOMASは難関校を突破することに重きが置かれていますが、東京個別指導学院はあくまで生徒の主体性に任せています。つまり、個別指導型の塾というポジションが多分に残されているのです。  ベネッセが非上場化することにより、東京個別指導学院の経営体制や組織形態は大きく変わる可能性があります。塾業界の中で、転換点を迎えている会社の一つだと言えるでしょう。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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